証拠物件の取扱い及び保管管理要領の制定について

平成26年9月30日
例規(刑総・総・生総・地総・交総・備総)第90号

最近改正
平成28年3月25日例規(務)第32号

この度、別記のとおり証拠物件の取扱い及び保管管理要領を制定し、平成26年10月1日から実施することとしたので、適正な運用に努められたい。
なお、「証拠物件の取扱い及び保管管理要領の制定について」(平成26年2月28日例規(刑総・総・生総・地総・交総・備総)第16号)は、廃止する。

別記

証拠物件の取扱い及び保管管理要領

第1 趣旨

証拠物件の取扱い及び保管管理については、刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)、刑事訴訟規則(昭和23年最高裁判所規則第32号)、犯罪捜査規範(昭和32年国公委規則第2号)等に定めるもののほか、この要領の定めるところによるものとする。

第2 用語の意義
この要領において、次に掲げる用語の意義は、それぞれに定めるところによる。
(1)証拠物件犯罪の証拠物(触法少年に係る事件(以下「触法少年事件」という。)の証拠物を含む。)及び没収の対象として押収した物件並びにこれらの換価代金をいう。
(2)長期保管最初に証拠物件を押収してから1か月を経過した事件に係る証拠物件(以下「長期証拠物件」という。)の保管をいう。
(3)短期保管長期保管以外の証拠物件(以下「短期証拠物件」という。)の保管をいう。
(4)特別証拠物件証拠物件のうち、次のいずれかに該当するものをいう。
ア 現金及び有価証券(以下「現金等」という。)
イ 貴金属その他の貴重品
ウ 大麻取締法(昭和23年法律第124号)、覚せい剤取締法(昭和26年法律第252号)、麻薬及び向精神薬取締法(昭和28年法律第14号)及びあへん法(昭和29年法律第71号)の各法令違反に係る薬物並びに医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)及び大阪府薬物の濫用の防止に関する条例(平成24年条例第123号)に規定する指定薬物並びにこれらに付随するもの
エ 銃砲刀剣類及び火薬類並びにこれらに類するもの
(5)DNA型鑑定資料DNA型鑑定の対象となる資料及び科学捜査研究所からDNA型鑑定後に返却を受けた資料(分離した資料のうち、DNA型鑑定に使用したものを含む。)をいう。
(6)国庫帰属押収物証拠物件のうち、刑事訴訟法第499条第3項の規定により国庫に帰属した押収物をいう。
(7)払出し送致、移送、還付等のため、証拠物件の保管を解除することをいう。
(8)仮出し取調べ、実況見分、鑑定嘱託等のため、保管中の証拠物件を保管設備から一時的に出すことをいう。
(9)直接鑑定押収した証拠物件について、事件捜査の必要性から、本部保管責任者又は保管責任者に引き継ぐ前に鑑定を嘱託することをいう。
(10)冷凍庫DNA型鑑定資料及び常温での保管に適さない証拠物件(以下「DNA型鑑定資料等」という。)を冷凍して保管するために総務部総務課(以下「本部総務課」という。)及び警察署に設置する専用の機器をいう。
(11)超低温保管庫DNA型鑑定資料を冷凍して保管するために本部総務課に設置する専用の機器であって、後記第12の1の規定による保管委託を受けたDNA型鑑定資料について本部管理責任者が当該機器による保管が適当であると認めた場合に使用するものをいう。
(12)証拠物件管理システム証拠物件の保管管理に必要な事項を登録し、証拠物件の出納を管理するシステムをいう。

第3 証拠物件の取扱い及び保管の基本
1 滅失等の防止
証拠物件の取扱い及び保管を行う者は、証拠物件が犯罪の立証のための重要な資料であることに鑑み、滅失、破損、変質、変形、混合又は散逸(以下「滅失等」という。)を防止しなければならない。

2 保管管理の基本
(1)証拠物件の保管管理については、事件捜査又は触法少年事件の調査(以下「触法調査」という。)を主管する警察本部の所属(以下「本部主管所属」という。)にあっては本部総務課の証拠物件の保管管理を担当する係において、警察署にあっては総務課証拠品係において一括して管理することを基本とする。
(2)証拠物件の保管を行う者は、証拠物件の滅失等の事故が発生することのないよう、定められた保管設備において証拠物件を保管しなければならない。

3 証拠物件の速やかな送致等の措置
証拠物件は、事件捜査(触法調査を含む。)の推移により可能な限り速やかに送致(送付を含む。以下同じ。)の措置を執るものとし、留置の必要がなくなったものについては、速やかに還付(仮還付を含む。以下同じ。)の措置を執るものとする。

第4 管理体制
1 管理責任者
(1)本部主管所属及び警察署に証拠物件管理責任者(以下「管理責任者」という。)を置く。
(2)管理責任者は、本部主管所属の長及び警察署長をもって充てる。
(3)管理責任者は、所属における証拠物件の適正な保管管理について総括的な責務を負うものとする。

2 管理副責任者
(1)本部主管所属及び警察署に証拠物件管理副責任者(以下「管理副責任者」という。)を置く。
(2)管理副責任者は、本部主管所属にあっては次長又は副隊長を、警察署にあっては副署長又は次長をもって充てる。
(3)管理副責任者は、管理責任者を補佐し、所属における証拠物件の適正かつ円滑な保管管理に努めるものとする。

3 取扱責任者
(1)本部主管所属及び警察署に証拠物件取扱責任者(以下「取扱責任者」という。)を置く。
(2)取扱責任者は、本部主管所属にあっては管理責任者が指定する警視又は警部の階級にある警察官を、警察署にあっては事件を担当する課の課長をもって充てる。
(3)取扱責任者は、捜査、取調べ等のために証拠物件の取扱いを担当する者(以下「取扱者」という。)に対して証拠物件の取扱いについて指揮監督を行うものとする。

4 取扱担当者
(1)本部主管所属及び警察署に取扱担当者を置く。
(2)取扱担当者は、事件を担当する係長のうちから管理責任者が指定する者をもって充てる。
(3)取扱担当者は、取扱責任者の指揮を受け、短期証拠物件及び長期証拠物件の取扱いに関する事務を行うものとする。

5 保管責任者
(1)後記12の規定に基づき特例措置を執る本部主管所属(以下「特例本部主管所属」という。)及び警察署に証拠物件保管責任者(以下「保管責任者」という。)を置く。
(2)保管責任者は、特例本部主管所属にあっては管理責任者が指定する警視又は警部の階級にある警察官を、警察署にあっては総務課長をもって充てる。
(3)保管責任者は、管理責任者の指揮を受け、後記6に規定する保管担当者に対する指揮監督を行うとともに、証拠物件の取扱い及び保管並びに保管設備の維持管理に当たるものとする。
(4)保管責任者が不在の場合は管理副責任者が、保管責任者及び管理副責任者が共に不在の場合は管理責任者が保管責任者の職務を行うものとする。

6 保管担当者
(1)特例本部主管所属及び警察署に証拠物件保管担当者(以下「保管担当者」という。)を置く。
(2)保管担当者は、管理責任者が指定する者をもって充てる。
(3)保管担当者は、保管責任者の指揮を受け、保管責任者が前記3に規定する取扱責任者から引継ぎを受けた証拠物件の保管及び出納に係る事務を行うとともに、取扱者に対して証拠物件の適正な取扱い及び保管に関する助言等を行うものとする。

7 本部管理責任者
(1)本部総務課に本部管理責任者を置く。
(2)本部管理責任者は、総務部総務課長(以下「本部総務課長」という。)をもって充てる。
(3)本部管理責任者は、本部主管所属等の証拠物件(本部総務課において保管する本部主管所属の取扱いに係る証拠物件並びに後記第12の規定に基づく保管委託及び後記第13の規定に基づく保管管理の依頼に係る証拠物件をいう。以下同じ。)の適正な保管管理についての責務を負うものとする。

8 本部管理副責任者
(1)本部総務課に本部管理副責任者を置く。
(2)本部管理副責任者は、総務部調査官をもって充てる。
(3)本部管理副責任者は、本部管理責任者を補佐し、本部主管所属等の証拠物件の適正かつ円滑な保管管理に努めるものとする。

9 本部保管責任者
(1)本部総務課に本部保管責任者を置く。
(2)本部保管責任者は、本部管理責任者が指定する警視又は警部の階級にある警察官をもって充てる。
(3)本部保管責任者は、本部管理責任者の指揮を受け、後記10に規定する本部保管担当者に対する指揮監督を行うとともに、本部主管所属等の証拠物件の取扱い及び保管並びに保管設備の維持管理に当たるものとする。
(4)本部保管責任者が不在の場合は本部管理副責任者が、本部保管責任者及び本部管理副責任者が共に不在の場合は本部管理責任者が本部保管責任者の職務を行うものとする。

10 本部保管担当者
(1)本部総務課に本部保管担当者を置く。
(2)本部保管担当者は、本部管理責任者が指定する者をもって充てる。
(3)本部保管担当者は、本部保管責任者の指揮を受け、本部主管所属等の証拠物件の保管及び出納に係る事務を行うとともに、取扱者に対して本部主管所属等の証拠物件の適正な取扱い及び保管に関する助言等を行うものとする。

11 地域課における証拠物件の取扱い
地域課(大阪水上警察署及び関西空港警察署にあっては地域交通課の交通係以外の係に限る。以下同じ。)において証拠物件を取り扱う場合は、地域課長(地域交通課長を含む。)が取扱責任者としての職務を、当該証拠物件を取り扱う地域課の係長が取扱担当者としての職務を行うものとする。

12 本部主管所属における特例措置
本部主管所属で取り扱う証拠物件については、本部総務課において保管することを基本とするが、証拠物件の引継ぎに際し、長距離の移動が必要である、捜査上の支障が多大である等特段の理由がある場合に限り、本部主管所属の管理責任者は、本部管理責任者にその旨を報告し承認を受けた上、自所属に証拠物件の全部又は一部を保管することができる。

第5 保管設備
1 保管設備の確保
本部管理責任者並びに特例本部主管所属及び警察署の管理責任者は、証拠物件を保管するために次に掲げる保管設備を確保しなければならない。ただし、証拠物件が大量である場合、自動車、賭博遊技機等の大型の物件である場合等、定められた保管設備に保管できないときは、盗難及び滅失等に配意して適切な保管場所を選定しなければならない。
(1)短期証拠物件と長期証拠物件とを区分して保管するための設備(以下「保管倉庫」という。)
(2)特別証拠物件を保管するための金庫(以下「保管金庫」という。)
(3)特別証拠物件(現金等を除く。)を保管するための保管金庫に代わる設備(以下「特別証拠物件保管庫」という。)
(4)冷凍庫
(5)超低温保管庫(本部総務課に限る。)

2 保管設備の構造等
(1)保管設備は、証拠物件の滅失等を防止するため、適当と認める場所に設置し、かつ、十分な広さ、構造等を有するものでなければならない。
(2)保管設備は、施錠機能を具備するものでなければならない。

3 冷凍庫の維持及び管理
(1)本部保管責任者及び保管責任者は、冷凍庫を適切に維持し、及び管理するものとする。
(2)本部保管責任者又は保管責任者は、本部保管担当者又は保管担当者に次により冷凍庫の保守を行わせるものとする。
ア 冷凍庫に保管しているDNA型鑑定資料等の滅失等を防止するため、冷凍庫内の温度が適正な温度になっていることを確認する等、冷凍庫が正常に作動しているかどうかを随時点検すること。
イ 冷凍庫の冷却能力の低下を防ぐため、適宜霜取りを行うこと。
(3)冷凍庫には、DNA型鑑定資料等以外の物品を入れないこと。ただし、当該冷凍庫に保管しているDNA型鑑定資料等の搬送の際に使用する解凍防止用の保冷剤を冷却する場合は、この限りでない。

4 保管設備の鍵の保管
(1)保管倉庫、保管金庫、特別証拠物件保管庫及び冷凍庫の鍵にあっては、本部保管責任者及び保管責任者が保管するものとする。
なお、執務時間外にあっては、当直管理責任者(本部当直にあっては、一般当直の当直管理責任者。以下同じ。)が保管するものとする。
(2)本部保管責任者及び保管責任者は、保管設備の鍵を施錠設備のある場所に保管するものとする。

5 超低温保管庫の維持・管理等
超低温保管庫の維持・管理等については、前記3及び4の規定に準じて行うものとする。

第6 簿冊の備付け
1 取扱責任者は、次に掲げる簿冊を備え付けるものとする。
(1)証拠物件保存簿(犯罪捜査規範別記様式第12号。以下「保存簿」という。)
(2)証拠物件取扱簿(別記様式第1号。以下「取扱簿」という。)
(3)検察庁委託証拠物件保管簿(別記様式第2号。以下「検察庁委託保管簿」という。)
(4)保管委託関係簿冊
(5)証拠物件保管依頼(自所属)関係簿冊

2 本部保管責任者及び保管責任者は、次に掲げる簿冊を備え付けるものとする。ただし、(2)にあっては、警察署の保管責任者に限る。
(1)証拠物件管理簿(別記様式第3号。以下「管理簿」という。)
(2)冷凍庫証拠物件管理簿(別記様式第4号。以下「冷凍庫管理簿」という。)
(3)証拠物件点検簿(別記様式第5号。以下「点検簿」という。)
(4)証拠物件保管依頼(他所属)関係簿冊

第7 証拠物件の取扱要領
1 警察官は、証拠物件を押収したときは、滅失等を防止するための適切な保存措置を講じた上、当該証拠物件を次に掲げる書類(以下「押収関係書類」という。)と共に取扱責任者に引き継ぐものとする。
(1)押収品目録(司法警察職員捜査書類基本書式例(平成12年3月30日最高検企第54号。以下「基本書式例」という。)様式第33号又は触法調査又はぐ犯調査に関する書類の様式を定める訓令(平成19年警察庁訓令第12号。以下「様式訓令」という。)別記様式第12号)
(2)領置調書(甲)(基本書式例様式第22号又は様式訓令別記様式第5号)又は領置調書(乙)(基本書式例様式第23号又は様式訓令別記様式第6号)

2 取扱責任者は、前記1により引継ぎを受けた証拠物件について、次に掲げる区分に応じ、それぞれに定める措置を執るものとする。
(1)留置を要しないと認めるもの速やかに取扱担当者に還付の措置を執らせること。
(2)留置を要すると認めるもの取扱担当者に取扱簿に所定の事項を記載させ、当該取扱簿を本部保管責任者又は保管責任者に提示させた上、本部保管責任者又は保管責任者に引き継がせること。

3 本部保管責任者又は保管責任者は、前記2の(2)により証拠物件の引継ぎを受けるときは、品目、数量等について取扱簿と照合・確認を行い、取扱簿の原本に引継ぎを受けたことを明確にした上、証拠物件を受領するものとする。この場合において、本部保管責任者又は保管責任者は、本部保管担当者又は保管担当者に、証拠物件管理システムに所定の事項を登録させた上、当該証拠物件の保管の措置を執らせるものとする。

4本部保管担当者又は保管担当者は、本部保管責任者又は保管責任者から証拠物件の保管の指示を受けたときは、保管倉庫(現金等にあっては保管金庫、特別証拠物件(現金等を除く。)にあっては保管金庫又は特別証拠物件保管庫、DNA型鑑定資料等にあっては冷凍庫)において保管するものとする。

5 取扱責任者は、短期証拠物件について、最初に押収してから1か月を経過したときは、品目、数量等について押収関係書類と照合・確認を行った上、次に掲げる区分に応じ、それぞれに定める措置を執るものとする。
(1)留置の必要がないと認められるもの取扱担当者に還付の措置を執らせること。
(2)引き続き留置の必要があると認められるもの取扱担当者に取扱簿及び保存簿(以下「取扱簿等」という。)に所定の事項を記載させ、本部保管責任者又は保管責任者に提示させた上、長期保管の措置を依頼すること。
(3)事件処理が間もなく終結し、その保管を解除する見込みが確実であるもの本部保管責任者又は保管責任者に短期保管の措置の継続を依頼すること。

6 本部保管責任者又は保管責任者は、前記5の(2)により証拠物件の長期保管の措置の依頼を受けたときは、本部保管担当者又は保管担当者に当該証拠物件について短期保管の措置を解除させ、新たに証拠物件管理システムに所定の事項を登録させた上、長期保管の措置を執るものとする。

7 取扱責任者は、検察庁に送致した証拠物件について、検察庁から当該証拠物件の保管の委託を受けたときは、取扱担当者に検察庁委託保管簿に所定の事項を記載させ、当該検察庁委託保管簿を本部保管責任者又は保管責任者に提示させた上、当該証拠物件を本部保管責任者又は保管責任者に引き継がせるものとする。

8 本部保管責任者又は保管責任者は、前記7により検察庁から保管の委託を受けた証拠物件の引継ぎを受けたときは、本部保管担当者又は保管担当者に当該証拠物件について保管の措置を執らせるものとする。

第8 証拠物件の保管方法
本部保管責任者及び保管責任者は、前記第7の3により引継ぎを受けた証拠物件について、次により適切に保管しなければならない。
(1)番号、事件名、品名、特徴、個数、取扱課及び取扱係を証拠物件管理システムにより出力されるラベル(以下単に「ラベル」という。)により明示する等、他の事件の証拠物件と混同しないよう必要な措置を講ずること。
(2)必要により写真撮影する等の方法により証拠保全の措置を執るとともに、滅失等を防止するための適切な保管措置を講ずること。
(3)長期証拠物件については、原則として暦年別及び保存簿の番号の順に整理し、保管すること。

第9 DNA型鑑定資料等の取扱要領等
1 DNA型鑑定資料等の保管
管理責任者は、DNA型鑑定資料等について、その形状、性質等及び科学捜査研究所長、犯罪鑑識機関又は学識経験者にDNA型鑑定を嘱託するまでに要する時間を勘案して、冷凍庫に保管することが適当と認める場合は、科学捜査研究所長と協議の上、冷凍庫に保管するものとする。

2 DNA型鑑定資料等の保管方法
DNA型鑑定資料等の冷凍庫による保管は、次により行うものとする。
(1)取扱責任者は、DNA型鑑定資料が血液、精液、唾液等を採取したガーゼ片又は雨水等に濡れたものであるときは、本部保管責任者又は保管責任者に引き継ぐ前に十分に乾燥させること。
(2)本部保管責任者又は保管責任者は、本部保管担当者又は保管担当者に保管するDNA型鑑定資料等ごとにラベルを作成させた上、当該ラベル及びDNA型鑑定資料等を当該ラベルが外部から視認できる状態にして、専用の証拠品ポリ袋に収納すること。
(3)本部保管責任者又は保管責任者は、DNA型鑑定資料等を取扱責任者ごとに区分した上で、原則として暦年別及び冷凍庫管理簿の番号順に整理して、他のDNA型鑑定資料等と混同しないようにしておくこと。

3 DNA型鑑定資料等の取扱要領
冷凍庫に保管しようとするDNA型鑑定資料等の取扱いについては、前記第7の規定に準じて行うものとする。

4DNA型鑑定資料等の出納
冷凍庫に保管するDNA型鑑定資料等の出納は、後記第10の規定に準じて行うほか、その都度、本部保管担当者又は保管担当者が冷凍庫管理簿に所定の事項を記載するものとする。
なお、DNA型鑑定の嘱託等のために冷凍庫から払い出したDNA型鑑定資料等を当該鑑定後に返却を受け、再度冷凍庫に保管する場合は、新たに冷凍庫管理簿に記載するものとする。

5 DNA型鑑定資料等の搬送要領
冷凍庫に保管したDNA型鑑定資料等の搬送に当たっては、解凍等によるDNA型鑑定資料等の滅失等を防止するため、解凍防止用の保冷剤及び搬送専用のクーラーボックスを使用するものとする。

第10 証拠物件の出納
1 仮出し手続
(1)取扱者は、証拠物件の仮出しを受けようとするときは、当該証拠物件を取り扱う取扱担当者の指示を受け、証拠物件出入票(別記様式第6号。以下「出入票」という。)により、取扱責任者及び本部保管責任者又は保管責任者の承認を得た上、本部保管担当者又は保管担当者に仮出しを依頼するものとする。
(2)本部保管担当者又は保管担当者は、前記(1)により証拠物件の仮出しの依頼を受けたときは、出入票及び証拠物件管理システムに登録された取扱簿等のデータと照合・確認を行った上、証拠物件管理システムに所定の事項を登録し、当該証拠物件の仮出しをするものとする。
なお、証拠物件の仮出し期間中においては、本部保管担当者又は保管担当者が当該証拠物件
に係る出入票を保管するものとし、当該証拠物件の管理については、仮出しの依頼を承認した取扱責任者の責に帰するものとする。
(3)取扱者は、仮出しを受けた証拠物件を返納しようとするときは、取扱担当者の指示を受け、本部保管担当者又は保管担当者に当該証拠物件を返納するものとする。
(4)本部保管担当者又は保管担当者は、前記(3)により証拠物件の返納を受けたときは、当該証拠物件に係る証拠物件管理システムに登録された取扱簿等のデータ及び出入票により照合・確認を行った上、当該証拠物件を受領し、証拠物件管理システムに所定の事項を登録するものとする。この場合において、本部保管担当者又は保管担当者は、証拠物件を返納した取扱者について、当該出入票に明確にしておくものとする。
(5)本部保管担当者又は保管担当者は、出入票に記載の全ての証拠物件について、入庫の処理が完結した場合は、当該証拠物件に係る出入票を取扱者に返却するものとする。
(6)前記(5)により本部保管担当者又は保管担当者から返却を受けた出入票については、それぞれ当該証拠物件に係る取扱簿等に編冊しておくものとする。

2 払出し手続
(1)取扱者は、還付、送致等により証拠物件の払出しを受けようとするときは、前記1の(1)に準じて本部保管担当者又は保管担当者に当該証拠物件の仮出しを依頼するものとし、依頼を受けた本部保管担当者又は保管担当者は、前記1の(2)に準じて当該証拠物件を仮出しするものとする。
(2)取扱者は、前記(1)により仮出しを受けた証拠物件について、払出しが完了したときは、その旨を取扱担当者及び本部保管担当者又は保管担当者に連絡するものとし、取扱担当者は、取扱簿等に必要事項を記載するものとする。
(3)前記(2)の連絡を受けた本部保管担当者又は保管担当者は、その旨を出入票に記載して、証拠物件管理システムに所定の事項を登録し、明確にしておくものとする。
なお、当該出入票に記載の全ての証拠物件の払出しが完了したときは、当該出入票を取扱者に返却するものとし、当該出入票の返却を受けた取扱者は、前記1の(6)に準じて取扱簿等に編冊しておくものとする。
(4)取扱者は、前記(1)により払出し予定として仮出しした証拠物件について、当該証拠物件の払出しをしなかった場合は、同1の(3)に準じて本部保管担当者又は保管担当者に当該証拠物件を返納するものとし、本部保管担当者又は保管担当者は、同1の(4)に準じて当該証拠物件を受領するものとする。

3 執務時間外の取扱い
(1)本部保管責任者又は保管責任者は、執務時間終了時には、証拠物件管理システムにより出力した当日の管理簿及び本部保管担当者又は保管担当者が出入票を保管している場合にあっては、当該出入票を当直管理責任者に引き継ぐものとする。
(2)証拠物件の押収が執務時間外で、証拠物件を引き継ぐ際に取扱責任者が不在のときは、当該証拠物件及び押収関係書類を当直管理責任者に引き継ぐものとする。この場合において、当直管理責任者は、管理簿に必要事項を記載し、証拠物件の引継ぎを受けたことを明確にしておくとともに、当直勤務終了後、速やかに当該証拠物件については取扱責任者に、当該管理簿については本部保管責任者又は保管責任者に引き継ぐものとする。
(3)証拠物件がDNA型鑑定資料等の場合は、当直管理責任者に引き継ぎ、引継ぎを受けた当直管理責任者が冷凍庫に保管した上、事後速やかに取扱責任者に引き継ぐものとする。
(4)証拠物件の仮出し、返納及び払出しを執務時間外に行うときは、当直管理責任者の承認を受けた上、当該当直管理責任者に依頼して行うものとする。
なお、当直管理責任者が不在の場合は、当直管理副責任者(本部当直にあっては、刑事当直の当直管理副責任者)の承認を受けた上、当該当直管理副責任者に依頼し、事後速やかに当直管理責任者に報告するものとする。
(5)当直管理責任者は、前記(4)の証拠物件の仮出し等の依頼を受けたときは、前記1及び2の規定(証拠物件管理システムへの登録に係る規定を除く。)に準じてこれを行うものとする。この場合において、当直管理責任者は、管理簿に必要事項を記載し、当直勤務終了後、速やかに本部保管責任者又は保管責任者に当該管理簿を引き継ぐものとする。
(6)当該管理簿の引継ぎを受けた本部保管責任者又は保管責任者は、当直勤務中の証拠物件の出納について、本部保管担当者又は保管担当者に証拠物件管理システムに所定の事項を登録させるものとする。

第11 直接鑑定に関する例外
1 証拠物件を直接鑑定する場合の手続
取扱責任者は、前記第7の1により引継ぎを受けた証拠物件について、直ちに鑑定をする必要があると認める場合は、同第7の2の(2)の規定にかかわらず、取扱担当者に証拠物件管理システムにより直接鑑定証拠物件一覧(別記様式第7号)を作成させた上、これを添えて直接鑑定を嘱託するものとする。

2 証拠物件を直接鑑定した場合の本部保管責任者又は保管責任者への連絡等
取扱責任者は、前記1により直接鑑定を嘱託した証拠物件(以下「直接鑑定証拠物件」という。)については、前記第7の2の(2)により取扱担当者に取扱簿に所定の事項を記載させ、当該取扱簿及び直接鑑定証拠物件一覧の写しを本部保管責任者又は保管責任者に提示させ、直接鑑定証拠物件について直接鑑定を嘱託している旨を本部保管責任者又は保管責任者に連絡させるものとする。
なお、直接鑑定証拠物件以外の証拠物件がある場合は、当該証拠物件を本部保管責任者又は保管責任者に引き継ぐものとする。

3 直接鑑定証拠物件以外の証拠物件の引継ぎを受けた場合の措置
本部保管責任者又は保管責任者は、前記2のなお書きにより直接鑑定証拠物件以外の証拠物件の引継ぎを受けるときは、取扱簿の原本に引継ぎを受けたことを明確にした上、本部保管担当者又は保管担当者に証拠物件管理システムに所定の事項を登録させるものとする。

4 直接鑑定証拠物件一覧の編冊
取扱担当者は、前記1により作成した直接鑑定証拠物件一覧については、当該証拠物件に係る取扱簿に編冊しておくものとする。

5 直接鑑定証拠物件の引継ぎ
取扱者は、直接鑑定証拠物件の鑑定が終了し、返納を受けた場合は、取扱担当者の指示を受け、本部保管担当者又は保管担当者に当該証拠物件を引き継ぐものとする。

6 直接鑑定証拠物件の引継ぎを受けた場合の措置
本部保管担当者又は保管担当者は、前記5により引継ぎを受けた直接鑑定証拠物件について、証拠物件管理システムに登録された当該取扱簿のデータにより照合・確認を行った上、当該証拠物件を受領し、証拠物件管理システムに所定の事項を登録するものとする。

7 執務時間外における手続
執務時間外において押収した証拠物件について、直ちに鑑定をする必要があると認める場合は、当直管理責任者は、前記第10の3の(2)又は(3)の規定にかかわらず、取扱者に証拠物件管理システムにより直接鑑定証拠物件一覧を作成させた上、これを添えて直接鑑定を嘱託するものとする。
なお、取扱者は、直接鑑定証拠物件一覧及び執務時間外に鑑定が終了し返納を受けた直接鑑定証拠物件について当直管理責任者に引き継ぐものとし、当直管理責任者は当直勤務終了後に、直接鑑定証拠物件一覧及び当該直接鑑定証拠物件については取扱責任者に引き継ぐものとする。

第12 保管委託
1 証拠物件(後記2に規定するものを除く。)の保管委託
管理責任者は、押収した証拠物件について、次のいずれかに該当するときは、当該証拠物件の保管を本部管理責任者に委託することができる。
(1)必要な捜査を遂げ、長期間の保管が見込まれるもの
(2)当該証拠物件に係る事件の送致に当たり、検察庁から保管の委託を受けたもの
(3)その他本部管理責任者が特に保管の必要を認めたもの

2 その他の証拠物件の保管委託
管理責任者は、次に掲げる証拠物件について、それぞれに定める者に保管を委託することができる。
なお、管理責任者は、これらの者に保管を委託するときは、保管請書(基本書式例様式第39号)を徴しておくものとする。
(1)運搬又は保管に不便な証拠物件当該証拠物件の所有者その他保管を委託するのに適切な者
(2)火薬類その他貯蔵又は保管について法令に定めのあるもの適法な保管設備を有する者

3 保管委託を受けた証拠物件の保管場所
前記1の規定により本部管理責任者が保管委託を受けた証拠物件の保管場所の区分は、次のとおりとする。
(1)証拠物件(特別証拠物件を除く。)芦原別館庁舎の証拠品管理センターの保管倉庫、冷凍庫又は超低温保管庫
(2)特別証拠物件本部総務課の保管金庫又は特別証拠物件保管庫

4 保管委託を受けた証拠物件の保管期間
前記1の規定により保管委託を受けた証拠物件の保管期間は、後記5の(4)により保管の委託を受けた日から当該証拠物件に係る公訴時効完成の日の1か月前の日までとする。ただし、平成22年4月27日に施行された刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律(平成22年法律第26号)により公訴時効が廃止された罪に係る事件の証拠物件については、この限りでない。

5 保管委託の手続
前記1の規定による証拠物件の保管委託は、次の手続により行うものとする。
(1)保管委託書の送付
管理責任者は、証拠物件の保管を委託しようとするときは、事前に保管委託書(別記様式第8号)を本部管理責任者に送付するものとする。
(2)保管委託の決定等
本部管理責任者は、前記(1)により送付を受けた保管委託書に係る証拠物件について、保管の可否を決定したときは、当該保管委託書を送付した管理責任者に連絡するものとする。この場合において、保管を決定したときは、搬入日時、搬入方法等の必要な事項について、当該管理責任者と協議するものとする。
(3)保管の委託
管理責任者は、前記(2)により保管を決定した旨の連絡を受けたときは、証拠物件の保管を委託するものとする。この場合においては、その都度、管理責任者が搬入責任者を指定し、搬入業務に従事させるものとする。
(4)保管の委託を受けた場合の措置
ア 本部管理責任者は、前記(3)により証拠物件の保管の委託を受けたときは、直ちに当該委託に係る所属の搬入責任者の立会いの下、当該証拠物件について損傷の有無等を確認した上で、外観状況の写真撮影等の所要の措置を講ずるものとする。この場合においては、その都度、証拠物件管理システムに所定の事項を登録するものとする。
イ 本部管理責任者は、前記(3)により証拠物件の保管の委託を受けたときは、保管受託書(別記様式第9号)を作成し、保管を委託した管理責任者に交付するものとする。
(5)保管を委託した場合の措置
管理責任者は、保管を委託したときは、取扱担当者に保存簿等の備考欄にあっては保管を委託した旨及びその日付を、保管場所欄にあっては保管委託先を記載させておくとともに、取扱責任者に保管委託書の写し及び保管受託書を保管委託関係の簿冊に編冊させておくものとする。

6 保管委託の解除手続
(1)保管委託解除の請求
管理責任者は、証拠物件の保管の委託を解除し、証拠物件の返還を受けようとするときは、保管委託解除・証拠物件返還請求書(別記様式第10号)により当該証拠物件の保管を委託している本部管理責任者に請求するものとする。
(2)返還方法の協議
本部管理責任者は、前記(1)により証拠物件の返還の請求を受けたときは、当該証拠物件の搬出日時、搬出方法等の必要な事項について、当該証拠物件の返還を請求した管理責任者と協議するものとする。
(3)返還の要領
管理責任者は、保管の委託の解除に係る証拠物件を保管委託先から搬出しようとするときは、その都度、搬出責任者を指定し、搬出業務に従事させるものとする。
なお、本部管理責任者は、証拠物件を保管委託元に返還するときは、搬出責任者の立会いの下、当該証拠物件について損傷の有無等を確認した上で、証拠物件返還書(別記様式第11号)を交付するものとする。
(4)保管の委託を解除した場合の措置
ア 本部管理責任者は、証拠物件の保管の委託を解除したときは、証拠物件管理システムに所定の事項を登録し、解除状況を明確にしておくものとする。
イ 管理責任者は、証拠物件の保管の委託の解除が完了したときは、取扱担当者に保存簿等の備考欄にあっては保管の委託の解除が完了した旨及びその日付を、保管場所欄にあっては返還後の保管場所を記載させておくとともに、取扱責任者に保管委託解除・証拠物件返還請求書の写し及び証拠物件返還書を保管委託関係の簿冊に編冊させておくものとする。

第13 証拠物件の保管管理に関する特則
1 証拠物件の保管管理の依頼
管理責任者は、捜査上等の支障から、他所属において証拠物件の保管管理をする必要があると認める場合(前記第12の規定により保管委託をする場合を除く。)は、本部主管所属又は当該警察署の長と協議の上、証拠物件の保管管理を依頼することができる。

2 依頼要領
(1)管理責任者は、前記1により証拠物件の保管管理を依頼する場合は、証拠物件保管依頼書(別記様式第12号)を作成し、当該保管管理を依頼する証拠物件と共に当該証拠物件保管依頼書を、本部主管所属の長を通じて証拠物件の保管管理を引き受けた本部管理責任者に、又は証拠物件の保管管理を引き受けた警察署(以下「引受署」という。)の管理責任者に提出するものとする。
(2)前記(1)により証拠物件の保管管理の依頼を受けた本部管理責任者又は引受署の管理責任者は、当該依頼をした管理責任者に証拠物件保管引受書(別記様式第13号)を交付するものとする。
(3)管理責任者は、証拠物件の保管管理を依頼したときは、警察署にあっては保管責任者に、本部主管所属にあっては取扱責任者を通じて本部保管責任者に証拠物件保管依頼書の写し及び前記(2)により交付を受けた証拠物件保管引受書を証拠物件保管依頼関係の簿冊に編冊させておくものとする。

3 保管管理の依頼の解除
(1)前記2により証拠物件の保管管理を依頼した管理責任者は、刑事総務課又は引受署において証拠物件の保管管理をする必要がなくなった場合は、証拠物件保管依頼解除・返還請求書(別記様式第14号)により、本部主管所属の長を通じて本部管理責任者に、又は引受署の管理責任者に保管管理の依頼の解除及び当該証拠物件の返還の請求を行うものとする。
(2)本部管理責任者又は引受署の管理責任者は、前記(1)により返還の請求を受けた場合は、依頼を受けて保管管理している証拠物件に保管引受証拠物件返還書(別記様式第15号)を添えて、当該証拠物件を返還するものとする。
(3)管理責任者は、前記(2)により保管管理を依頼した証拠物件の返還を受けたときは、警察署にあっては保管責任者に、本部主管所属にあっては取扱責任者を通じて本部保管責任者に証拠物件保管依頼解除・返還請求書の写し及び保管引受証拠物件返還書を証拠物件保管依頼関係の簿冊に編冊させておくものとする。

4 保管管理の依頼に係る証拠物件の取扱要領等
前記2又は3による証拠物件の保管管理の依頼に係る証拠物件の保管については前記第7の4の、出納については前記第10の要領に準じて行うものとする。

第14 廃棄
1 証拠物件の廃棄基準
刑事訴訟法第121条第2項に規定する危険を生ずる虞がある押収物のほか、捜査上留置の必要がなくなった証拠物件で、正当な権原を有していることが明らかな者から所有権の放棄がなされており、かつ、財産的価値のないことが明らかであると認められるもの及び事件現場等の状況から明らかに無主物かつ無価値物と認められるものは、廃棄することができる。

2 警察本部長等の指揮
証拠物件を廃棄するときは、前記1の基準に該当するかどうかを検討の上、犯罪捜査規範第112条第1項の規定により警察本部長又は警察署長の指揮を受けなければならない。この場合における指揮は、警察本部長事件指揮簿(大阪府警察捜査指揮規程(昭和32年訓令第15号)別記様式第1号)又は警察署長事件指揮簿(同訓令別記様式第2号)により受けるものとする。

3 廃棄の方法
証拠物件の廃棄は、取扱責任者の指示の下、当該証拠物件に係る事件の捜査主任官が、取扱責任者が指定した警察官を立ち会わせた上、裁断、溶解、焼却等復元ができない方法により行うものとする。この場合においては、犯罪捜査規範第113条に規定する措置を執るほか、取扱簿等にその経過を記載しておくものとする。

4 留意事項
証拠物件の廃棄に当たっては、個人情報等各種情報の漏えいに特段の注意を払わなければならない。

第15 還付公告
1 還付公告の検討
取扱責任者は、本部保管責任者又は保管責任者に引き継いだ証拠物件について、事件捜査(触法調査を含む。)を担当する捜査主任官から還付公告を行う必要がある旨の報告を受けたときは、当該証拠物件について、本件事件はもとより余罪事件の捜査における必要性、将来の公判における証拠開示請求の可能性等を慎重に検討し、留置の必要性がなく、かつ、刑事訴訟法第499条第1項に規定する場合に該当するかどうかを検討した上で、還付公告を実施するかどうかを判断すること。

2 警察本部長等の指揮
前記1の規定による判断の結果、還付公告を実施する場合は、犯罪捜査規範第112条の2第1項の規定により警察本部長又は警察署長の指揮を受けなければならない。この場合における指揮は、警察本部長事件指揮簿又は警察署長事件指揮簿により受けるものとする。

3 主管部長への事前報告等
(1)本部主管所属の長又は警察署長は、本部保管責任者又は保管責任者に引き継いだ証拠物件について、還付公告を実施しようとする場合は、当該還付公告を行おうとする日の10日前までに、当該証拠物件に係る事件を主管する部長(刑事部の主管に係る事件については刑事総務課、生活安全部の主管に係る事件については生活安全総務課、地域部の主管に係る事件については地域総務課、交通部の主管に係る事件については交通総務課、警備部の主管に係る事件については警備総務課。以下「主管部長」という。)に還付公告事前報告書(別記様式第16号)により、その旨を報告するものとする。この場合においては、当該還付公告を行うに至った経緯を記載した捜査報告書の写し及び当該証拠物件の写真の写しを添付するものとする。
(2)前記(1)による報告を受けた主管部長は、当該報告に係る還付公告が適正に行われるよう、必要に応じて本部主管所属の長又は警察署長に対し、助言又は指導を行うものとする。

4 還付公告の実施
(1)本部主管所属の長又は警察署長は、押収物還付公告令(昭和28年政令第342号)第2条第1項の規定により、司法警察員が所属する官公署の掲示場(以下「掲示場」という。)に告示書(別記様式第17号)を14日間掲示することにより、還付公告を行うものとし、必要があると認めるときは、官報に掲載する方法を併せて行うことができる。
(2)本部主管所属の長又は警察署長は、押収物還付公告令第2条第2項の規定により、掲示場に掲示する方法により還付公告を行うことができない場合は、官報に掲載する方法により行わなければならない。

5 証拠物件の還付
還付公告をした日から6か月以内に還付の請求があったときは、当該還付の請求を行った者から当該還付の請求に係る物品の特徴を詳細に聴取する等により、同人が正当な権利者であることを確認した上で還付するものとする。

第16 点検
1 短期証拠物件及び長期証拠物件の点検
本部保管責任者又は保管責任者は、短期証拠物件にあっては随時、長期証拠物件にあっては6か月に1回以上、保管状況を点検し、その結果を点検簿に記載し、本部管理責任者又は管理責任者に報告するものとする。
なお、点検に当たっては、次に掲げる事項に留意するとともに、滅失等の防止措置について十分に配意するものとする。
(1)証拠物件と取扱簿等との照合
(2)証拠物件の滅失等の異状の有無
(3)年別・事件別整理状況等の適否
(4)証拠物件に係る事件の公訴時効の期限の確認

2 保管管理の依頼を受けた証拠物件の点検
前記第13の2の規定により証拠物件の保管管理を引き受けた証拠物件については、前記1の規定に準じて点検を実施するものとする。

第17 証拠物件等の引継ぎ
1 捜査本部事件に係る証拠物件等の引継ぎ
(1)本部主管所属の長は、捜査本部事件を警察署に引き継ぐ場合は、証拠物件のある事件については、事件記録と共に当該証拠物件を引き継がなければならない。
(2)警察署の取扱責任者は、本部主管所属の取扱責任者から引継ぎのあった押収関係書類は、暦年別に一括して編冊しておくものとする。

2 人事異動に伴う引継ぎ
人事異動により本部保管責任者、保管責任者、取扱責任者又は取扱担当者が交替するときは、証拠物件の引継ぎを確実に行い、その結果を本部保管責任者にあっては本部管理責任者に、保管責任者又は取扱責任者にあっては管理責任者に、取扱担当者にあっては取扱責任者に報告するものとする。
なお、引継ぎの要領は、次によるものとする。
(1)本部保管責任者及び保管責任者の場合
引継者と引受者が保管中の証拠物件に係る取扱簿等及び点検簿並びに証拠物件管理システムを照合・確認した上、取扱簿、保存簿等に署名・押印する。この場合における取扱簿、保存簿等への署名・押印は、証拠物件管理システムにより取扱簿、保存簿等に記載された事項が帳票ごとに一覧となって出力される書面に署名・押印することにより代えることができる。
(2)取扱責任者の場合
引継者と引受者が保管中の証拠物件に係る取扱簿等を確認した上、取扱簿、保存簿等に署名・押印する。
(3)取扱担当者の場合
引継者と引受者が保管中の証拠物件に係る取扱簿等及び押収関係書類を照合・確認した上、取扱簿、保存簿等に署名・押印する。

第18 滅失等の場合の措置
1 本部保管責任者又は保管責任者及び取扱責任者は、保管及び取扱いをしている証拠物件について滅失等があった場合は、速やかにその状況を本部管理責任者又は管理責任者に報告するものとする。

2 本部管理責任者又は管理責任者は、前記1の報告を受けた場合は、その経緯及び執った措置を速やかに主管部長に報告するものとする。

第19 通信記録物等の取扱い等
通信傍受規則(平成12年国公委規則第13号)第2条第8号に規定する通信記録物等の取扱い及び保管については、大阪府警察通信記録物等管理要領(平成14年12月20日例規(組本・刑総・生総・備総)第107号)に定めるところによる。

第20 国庫帰属押収物の取扱い
1 国庫帰属押収物は、廃棄、売払い、警察本部への送付等の取扱いが終了するまでの間、国庫帰属前に証拠物件として保管していた場所において継続して保管するものとする。
2 本部管理責任者又は管理責任者、本部保管責任者又は保管責任者及び本部保管担当者又は保管担当者は、国庫帰属押収物を証拠物件に準じて適切に保管しなければならない。