防犯コラム

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☆防犯コラム☆

この「防犯コラム」では、地域で自主防犯活動に尽力されている方々に参考になり、また、若い方々にも防犯活動に関心を持ってもらえるように、地域防犯の光景を描きます。
寄稿者は、摂南大学法学部准教授中沼丈晃先生で、自治会や小学校を中心としたまちづくりをテーマに、大阪府寝屋川市や交野市、門真市などで学生たちと共に実地調査や地域活動を展開されています。
初回のお話は、『青パト活動で学生さんが地域の子どもたちと仲良くなる秘訣』です。
見守り活動時の参考やヒントにして頂ければと願っております。

第1回 青パト活動で学生さんが地域の子どもたちと仲良くなる秘訣

私は、研究室の学生さんたちと青パト活動をしています。
大学近辺の小学校にある青パトに乗っているので、校区の子どもの安全をまず意識しています。3年近く活動を続けた現在では、青パトで小学生と出会えば、「さようなら」の声かけに応えてくれるのはもちろん、子どもの方から手を振ってくれるのもふつうになりました。一見地味なパトロールを学生さんが続けていくうえでは、そうした子どもとの触れ合いは欠かせない楽しみになっています。

でも当初は、いまから考えると実に自信がない活動でした。不審な目で見られるというか、こちらも不審者と勘違いされたら嫌だなと思っていました。子どもの安全に敏感な世の中で、いまどきの大学生、特に男子大学生が子どもの見守りをするというのは、互いに構えてしまうものです。
学生さんが子どもと仲良くなれたポイントは3つあると思っています。一番大切なのは、自然な笑顔での声かけでしょう。これはなかなか難しい。自分が住んでいない町中で、知らない子に挨拶をするわけですから。普段、大学では眠たそうに挨拶をする学生さんが、まちに出て「気をつけて帰ってな」と声をかけて、子どもが明るく「はーい」と答えている光景を見ると、大したものだと身内ながら感心します。
2つ目は、青パトを降りて公園を歩いて見回ることです。これは、警察官になった卒業生の助言をヒントにして始めました。パトロールといえば、動くのが当たり前のイメージ。でも、一定の時間立って警戒する「駐留警戒」も効果的と教わり、たくさんの子どもが遊んでいる公園の前で青パトを停めて、公園内を歩こうという話になったのです。

最初の頃、公園で「6時やから帰りや」と子どもに声かけをすると、「お兄ちゃんたち誰?」と言われました。そこで、「摂南大学の大学生で、みんなの小学校の青パトでパトロールしてるねん」などと話を交わすと、一気に仲良くなれました。そんなことを重ねた今では、帰宅をうながすと結構、素直に帰ってくれます。青パトを降りて青パトの「中の人」を知ってもらう――矛盾するようですが、これが、地域の人に青パトを知ってもらい、親しんでもらう最も効果的な方法だと思っています。
学生さんが子どもと仲良くなれたポイントの最後は、小学校のご配慮です。私たちは、小学校の校歌をバックに呼びかけをするテープを作成して、パトロール中、拡声器で流しています。まちでは、子どもたちがこのテープを聞き、青パトの方を向いて校歌を歌っている姿によく出会います。このように子どもに注目してもらえるのは、校歌を使った呼びかけテープの放送を学校が快く認めてくださっているからです。街頭での放送については地域でもさまざまな受けとめ方があるだけに、学校の懐の深さには感謝をしています。

感謝の気持ちは、地域や学校に入らせてもらっている私たちの活動の基本です。そうだからこそ、逆に、学校で開かれる「見守り感謝の会」などに招いていただいたときは、素直にうれしく思います。その会で全校生徒に紹介された日の夕方、青パトで公園に行くと、低学年の子どもが「僕たちを見に来たの?」と走り寄ってきたそうです。
青パトの窓から笑顔で挨拶し、車を降りて公園でお話をし、拠点である学校に工夫を認めてもらう。この積み重ねをして、学生さんや私は地域の子どもたちと仲良くなっています。


寄稿者
摂南大学法学部准教授
中沼 丈晃 先生

昭和46年生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程後、摂南大学学法学部講師を経て、平成19年より現職。専門は行政学、公共政策論。平成17年から地域防犯を研究し始め、寝屋川市・交野市・門真市などにおいて、地域の日常の活動や会合に積極的に参加する形で研究を進めている。
寝屋川市安全推進協議会(副会長・平成22年から24年)、堺市防犯カメラガイドライン策定検討懇話会(座長・平成23年)の委員を務める。

摂南大学法学部中沼研究室

平成14年から始まる。4回生と3回生が中心となって、まちづくりの研究や地域活動を行っている。現在は、防犯、自治会支援、小学校支援、児童福祉の4分野にわたって、現場での活動とそれに基づく研究を展開。特に防犯では、青パトによる子ども見守り活動を日々続けている。