ストーカー行為等の規制等に関する法律の一部を改正する法律の概要

ストーカー行為等の規制等に関する法律の一部を改正する法律の概要

1 規制対象行為の拡大等(第2条)
(1)規制対象行為「つきまとい等」の拡大(同条第1項第1号及び第5号並びに第2項)
恋愛感情等を充足する目的で行われる次の行為が追加されました。
ア 住居等の付近をみだりにうろつくこと。
イ 拒まれたにもかかわらず、連続して、
(ア)SNSを用いたメッセージ送信等を行うこと。
(イ)ブログ、SNS等の個人のページにコメント等を送ること。
(2)性的羞恥心を害する電磁的記録等の明記(第1項8号)
「つきまとい等」の一類型である性的羞恥心を害する行為について、電磁的記録やその記録媒体を送りつける行為等が確認的に明記されました。

2 禁止命令等の制度の見直し(第5条及び第17条)
(1)禁止命令等における警告前置の廃止・緊急時の禁止命令等(第5条第1項、第3項及び第4項)
これまで禁止命令等を実施するには警告に違反したことが要件となっていましたが、警告を行わなくても禁止命令等が実施できるように改正されました。
また禁止命令等は、被害者の申出又は公安委員会の職権により聴聞を経て行うこととされていますが、被害者の身体の安全等のため緊急の必要があると認めるときは、聴聞を行うことなく禁止命令等を行うことができるようになりました。この場合には、事後に意見の聴取という手続が行われます。
(2)禁止命令等の更新制の導入(第5条第8項から第10項)
禁止命令等の有効期間が1年間になりました。
今後は1年ごとに、聴聞を経て更新することが可能となります。
(3)公安委員会の事務の委任(第17条)
公安委員会の権限に属する禁止命令等の事務を警察本部長等に委任することができる規定が置かれました。

3 ストーカー行為等に係る情報提供の禁止
情報提供行為の禁止(第7条)
ストーカー行為等をするおそれがある者であることを知りながら、その者に対してその行為の相手方の氏名、住所等の情報を提供することが禁止されました。

4 ストーカー行為等の相手方に対する措置等
(1)職務関係者による配慮等(第9条)
職務関係者は、被害者の安全確保や秘密保持に十分配慮しなければならないこととされたほか、国や地方公共団体は、職務関係者に対し、被害者の人権、ストーカー行為等の特性等に関する理解を深めるための研修や啓発を行うものとされました。また国や地方公共団体等は、保有個人情報の管理について、ストーカー行為等の防止に必要な措置を講ずるよう努めなければならないこととされました。
(2)民間施設における滞在支援等(第10条)
国や地方公共団体は、被害者に対する民間の施設における滞在についての支援及び公的賃貸住宅への入居についての配慮に努めなければならないこととされました。

5 ストーカー行為等の防止等に資するための措置
(1)調査研究の推進(第11条)
国や地方公共団体は、加害者を更生させるための方法、被害者の心身の健康回復の方法等に関する調査研究の推進に努めなければならないこととされました。
(2)その他の措置(第12条)
国や地方公共団体が努めるべきストーカー行為等の防止・被害者の保護に資するための措置として、実態把握、人材養成や資質向上、教育活動等、民間団体との連携協力が追加されました。

6 罰則の見直し等
(1)ストーカー行為罪の非親告罪化(第18条)
ストーカー行為罪について、告訴がなくても公訴を提起することができることとされました。
(2)罰則の引上げ(第18条から第20条)
ア ストーカー行為罪
6月以下の懲役又は50万円以下の罰金から1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に引き上げられました。
イ ストーカー行為に係る禁止命令等違反罪
1年以下の懲役又は100万円以下の罰金から2年以下の懲役又は200万円以下の罰金に引き上げられました。
ウ イ以外の禁止命令等違反罪
50万円以下の罰金から6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に引き上げられました。