インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律等の解釈及び運用について

インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律等の解釈及び運用について
平成20年11月28日
例規(少)第101号

インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律(平成15年法律第83号。以下「法」という。)、インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律施行令(平成20年政令第346号。以下「施行令」という。)及びインターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律施行規則(平成15年国家公安委員会規則第15号。以下「施行規則」という。)の解釈及び運用を制定し、平成20年12月1日から実施することとしたので、適切な運用を図られたい。
第1 目的(法第1条関係)
法の目的は、「インターネット異性紹介事業の利用に起因する児童買春その他の犯罪から児童を保護し、もって児童の健全な育成に資すること」であり、このような法の目的を実現するため、インターネット異性紹介事業を利用して、児童を性交等の相手方となるように誘引する行為等の禁止(法第6条)、インターネット異性紹介事業についての必要な規制(法第7条から第17条まで)等を定めているため、法の各規定は、法第1条の目的に沿って理解されなければならない。
第2 定義(法第2条関係)
1 「児童」の定義(第1号関係)
「児童」とは、18歳に満たない者をいう。
2 「インターネット異性紹介事業」の定義(第2号関係)
(1) 「異性交際」とは、面識のない異性との、男女の性に着目した交際、すなわち相手方が男であること又は女であることへの関心が重要な要素となっている感情に基づく交際を意味し、性交等を目的とする交際に限られない。したがって、男女の性以外の要素に着目した交際であれば、「異性交際」に当たらない。
(2) 「面識のない」とは、インターネット異性紹介事業をきっかけとして知り合うまで顔見知りでなかった、見ず知らずの関係であることをいう。したがって、メールの交換をしているだけでは、相手方がどのような人物であるかわからず、相手方が男であるか女であるかも実際にはわからないのであり、このような段階では、面識があるとはいえない。
なお、顔見知りである者のみを対象としてサービスを提供しているサイトは、インターネット異性紹介事業に該当しない。
(3) 「交際」とは、つきあい、まじわりのことであり、他人と知り合い、交流する行為全般をいう。直接対面するつきあいのほか、電話、手紙、電子メール等の手段による会話、文通もこれに該当する。
(4) 「異性交際を希望する者の求めに応じ」とは、事業を行う者が、その運営方針として、異性交際を希望する者の需要に応じて、すなわち異性交際を希望する者を対象としてサービスを提供するという意味であり、個々の利用者が実際にどのような意図をもって当該事業を利用しているかにはよらない。
(5) 事業を行う者の運営方針は、次のような事項から判断する。
なお、異性交際目的での利用を禁ずる規約等に反して利用者が異性交際目的で利用している実態がある場合でも、事業を行う者が異性交際を求める書き込みの削除又は書き込んだ者の利用停止措置を行っていれば、当該事業は、基本的には「インターネット異性紹介事業」に該当しないが、当該書き込みを知りながら放置する等、事業を行う者がその実態を許容していると認められるときは、「インターネット異性紹介事業」に該当する場合がある。
ア 事業を行う者が示している規約又はサイト名その他利用案内、告知等のサイト上の記載等
イ サイトのシステム(例えば、書き込みをした者の性別を表示する機能の有無等)
ウ 利用者の規約等違反行為に対する事業を行う者の措置
(6) 「異性交際に関する情報」とは、異性交際希望者が不特定多数の異性の注目を集めるために記載する、自己に関する情報、交際を希望する相手の条件に関する情報、交際の方法(電話番号等の連絡方法に関する情報及び実際に出会うための日時・場所に関する情報もこれに当たる。)に関する情報等をいう。
(7) 「公衆が閲覧することができる状態に置」くとは、異性交際に関する情報をウェブサーバ等に記録させる行為をいう。これによって公衆がインターネットを通じていつでも当該情報を閲覧できる状態になる。
(8) 「伝達し」とは、ウェブサーバ等に記録させた情報を、これを閲覧しようとする者にインターネットを通じて取得させる行為をいう。これにより閲覧しようとする者は、現実にその情報をブラウザ等によって視覚により認識することができることとなる。
(9) 「その他の電気通信」とは、電子メールと同様に相互に連絡する機能を有する電気通信手段である。
(10) 「相互に連絡することができるようにする役務」とは、他人が書き込んだ「異性交際に関する情報」を閲覧した異性交際希望者(以下「閲覧者」という。)が当該情報を書き込んだ異性交際希望者(以下「書込者」という。)に返信することをきっかけとして閲覧者と書込者が相互に連絡することができるようになる機能を利用することにより、異性交際に関する情報を載せた異性交際希望者とこれを見た者との間で相互に1対1の連絡(インターネット異性紹介事業者が介在する場合を含む。)ができるようにすることをいう。具体的には、返信ボタンをクリックさせる等して、事業を行う者が電子メールを中継する方法又は閲覧者側の端末機器に書込者のメールアドレスを通知するとともに、そのメールソフトを立ち上げて、メールを送信できる状態にさせる方法がある。例えば、インターネット上の空間に、2人しか入れない仮想の個室を設け、そこに入った2人の間だけでメールのやりとりをさせるツーショットチャット形式は、相互に連絡することができることからこれに含まれるが、公開された場でのチャット又はいわゆるレス方式(ウェブサイト上で、書き込まれた情報に対する返答・意見が順次記載されていく方式)については、当事者間の1対1の通信ではないことからこれに当たらない。
なお、書込者が公開された場での書き込みの中に勝手にメールアドレスを記載しても、事業を行う者が「相互に連絡することができるようにする役務」を提供しているとはいえない。ただし、事業を行う者が書込者がメールアドレス又は電話番号を入力しないと当該書き込みを公衆が閲覧することができないようにしていることにより、閲覧者が書込者の電子メールアドレス又は電話番号を知ることができ、1対1で連絡することが可能であるものについては、「相互に連絡することができるようにする役務」といえる。
(11) 「事業」とは、反復継続的に行われるという意味であり、営利目的であるか否かは問わない。したがって、利用者から料金を徴収していないもの、広告収入等を得ていないもの、又は個人の趣味で運営しているものであっても、「事業」に該当し得る。
3 「インターネット異性紹介事業者」の定義(第3号関係)
個人又は団体を問わず、団体にあっては法人格の有無を問わず、更には届出の有無を問わず、インターネット異性紹介事業を行う者をいう。
第3 事業者等の責務(法第3条関係)
1 第1項関係
(1) 「この法律」とは、法のことであり、「その他の法令の規定」とは、法を例とした法令一般の規定という意味である。
(2) 「児童によるインターネット異性紹介事業の利用の防止に努め」とは、例えば、事業者が利用者が児童であることを認知した場合に、当該利用者の利用を停止させることに努めること等が該当する。
2 第2項関係
(1) 「インターネット異性紹介事業に必要な電気通信役務(電気通信事業法第2条第3号に規定する電気通信役務をいう。)を提供する事業者」とは、インターネット異性紹介事業そのものの成立に不可欠な電気通信役務を提供する事業者のことである。具体的には、次に挙げるような事業者が該当する。
ア インターネット・サービス・プロバイダ
イ インターネット・サービス・プロバイダとしての携帯電話の電気通信事業者
ウ レンタルサーバ業者
(2) 「児童の使用に係る」とは、児童が現に使用するものを指す。
(3) 「通信端末機器」とは、インターネットにアクセスすることができる機能を有する携帯電話、パーソナルコンピュータ等が該当し、当該機能を有していれば、ゲーム機等であっても「通信端末機器」に該当する。
(4) 「電気通信の自動利用制限(電気通信を自動的に選別して制限することをいう。)を行う役務」とは、インターネット・サービス・プロバイダが自らのサーバ等でフィルタリングを行うサービス等をいう。
(5) 「当該電気通信の自動利用制限を行う機能を有するソフトウェア」とは、利用者のパーソナルコンピュータ等にインストールしてフィルタリングを行うソフトウェアをいう。
(6) 「その他の措置」とは、児童によるインターネット異性紹介事業の利用の防止に資する措置を意味し、次のようなことが該当する。
ア インターネット・サービス・プロバイダが、契約者に対してフィルタリングの利用を推奨すること。
イ インターネット・サービス・プロバイダ又はレンタルサーバ業者が、契約しているインターネット異性紹介事業者(以下「事業者」という。)が法を遵守せず、児童による利用及び児童被害が多発している場合には、当該事業者との契約を解除すること。
3 第3項関係
「児童の健全な育成に配慮する」とは、およそ児童の健全な育成に資する取組が広く含まれるが、例えば、次のようなことが該当する。
(1) 事業者がその行うインターネット異性紹介事業に関し、児童の性の商品化をあおるような宣伝文句を使用しないこと。
(2) インターネット・サービス・プロバイダ又はレンタルサーバ管理者が事業者と役務提供の契約をするに当たって、事業者が法第6条に規定する禁止誘引行為に該当する書き込みを放置しないこと等、児童の健全な育成に障害を及ぼす行為の防止に努めることを契約内容に盛り込むこと。
(3) 児童の健全な育成に障害を及ぼす行為の防止に努めない事業者とは契約を解除することができるよう約款を整備すること。
第4 保護者の責務(法第4条関係)
(1) 「児童の使用に係る」、「通信端末機器」、「電気通信の自動利用制限を行う役務」及び「当該電気通信制限の自動利用制限を行う機能を有するソフトウェア」については、前記第3の2の解釈と同様である。
(2) 「その他の児童によるインターネット異性紹介事業の利用を防止するために必要な措置」とは、例えば、児童によるインターネット異性紹介事業の利用は危険であり、かつ、法律で認められていないということを児童に教育すること等が該当する。
第5 国及び地方公共団体の責務(法第5条関係)
1 第1項関係
(1) 「児童によるインターネット異性紹介事業の利用の防止に関する国民の理解を深めるための教育及び啓発」とは、例えば、次のようなことが該当する。
ア インターネットリテラシー(インターネットを正しく理解し、正しく利用できる能力)を向上させるため、学校教育における副読本を作成すること。
イ 出会い系サイトを利用した児童の犯罪被害の実態に関する広報啓発資料を作成し、出会い系サイトの危険性について、非行防止教室等において周知すること。
(2) 「児童によるインターネット異性紹介事業の利用の防止に資する技術」としては、フィルタリング技術、禁止誘引行為に係る情報を自動的に検出する技術等が該当する。
2 第2項関係
(1) 「事業者、国民又はこれらの者が組織する民間の団体」とは、犯罪の防止、児童の保護、児童の健全育成等を目的とするボランティア団体のほか、インターネット関係のいわゆる業界団体を指す。
(2) 「自発的に行うインターネット異性紹介事業に係る活動であって、児童の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するためのもの」とは、具体的には、次のようなものがある。
ア 犯罪の防止等を目的とするボランティア団体が行う広報啓発活動又はインターネット上のサイバーパトロール
イ インターネット関係団体による利用者に対する広報啓発活動又は業界の自主規制(約款の例の制定等)
(3) 「必要な施策を講ずる」とは、ボランティア団体等に対して、例えば、次のような支援を行うことが該当する。
ア 保護者及び児童に対する広報啓発活動のためのパンフレットの作成の監修又は助成
イ インターネット異性紹介事業に係る犯罪の実態についての情報提供
ウ サイバーパトロール時の着眼点等に関する情報提供
エ サイバーパトロールにより禁止誘引行為を発見した際の措置に関する指導
第6 児童に係る誘引の禁止(法第6条関係)
1 各号列記以外の部分関係
(1) 「何人」には、児童も含まれる。
(2) 「インターネット異性紹介事業を利用して」とは、事業者が提供するサービスを用いて異性交際に関する情報をインターネットを利用して公衆が閲覧することができる状態に置いてこれに伝達することをいう。したがって、閲覧者が書込者に対し、禁止誘引行為に係る異性交際に関する情報を内容とする電子メールを送ったとしても、「インターネット異性紹介事業を利用し」たこととはならない。
(3) 客観的にみて禁止誘引行為をしたと評価できる者が、実際に児童を性交等の相手方とする等の意思があったか否かは、禁止誘引行為の犯罪の成立には無関係である。したがって、実際の交際を想定していないいわゆる「サクラ行為」であっても禁止誘引行為に該当する。
2 各号関係
(1) 「性交等」とは、性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、他人の性器等(性器、肛(こう)門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは他人に自己の性器等を触らせることをいい、同性愛行為を含まない。
(2) 「性交類似行為」とは、実質的にみて、性交と同じような態様の性的行為をいい、例えば、異性間の性交とその態様を同じくする状況下において行われ、又は性交等を模して行われる手淫、口淫行為等をいう。
(3) 「誘引」とは、相手方に直接身をさらすことなく、自己の意思を間接的に表示して誘いかけ、相手方となる者の申込みを待つ行為をいうものであり、売春防止法(昭和31年法律第118号)第5条第3号及び第6条第2項第3号の「誘引」と同義である。
(4) 「対償」とは、現金のみならず、衣服、バッグ、時計等の物品、その他の財産上の利益をいい、児童が異性交際の相手方となる際の動機付けになる程度の具体性をもっていることは必要であるが、単に経済的価値の多寡によって決められるのではなく、児童が異性交際をする動機付けになる程度の因果性を有していることをその本質とする。
(5) 法第6条第5号に該当する行為は、罰則の対象とされていない。
第7 インターネット異性紹介事業の届出(法第7条関係)
1 第1項関係
(1) インターネット異性紹介事業の届出は、当該事業を「行おうとする者」ごとに行うこととなる。したがって、事業者が複数の呼称又はURLを用いてインターネット異性紹介事業に該当するサイトを開設している場合であっても、当該事業を行う者が同一の主体である限り、これらの事業を全体として一の事業として、当該一の事業について届出をすることになる。
(2) 「事務所」とは、名称のいかんを問わず、当該インターネット異性紹介事業の事業活動の中心である一定の場所のことをいい、事務所が複数ある場合には、それらのうち中枢となる事務所が「事業の本拠となる事務所」に当たる。したがって、事務所が複数ある場合であっても、事業の本拠となる事務所の所在地を管轄する都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)にのみ届け出ればよい。
なお、「事務所」といえる場所がないときは、当該事業を行う者の住居がこれに代わることとなる。
(3) 事業の「本拠」とは、日本国内における事業活動の中枢となる拠点を指すことから、海外に本社等を有する事業者が日本国内における事業活動(サイトのメンテナンス等を含む。)の中枢となる拠点を設けて事業を行っている場合には、当該拠点の所在地を管轄する公安委員会に届出をする必要がある。また、事業者が海外のサーバを利用して事業を行っている場合であっても、事業者が国内に所在する場合は、法の規制の対象となるので、事業の本拠となる事務所又は住居の所在地を管轄する公安委員会に届出をする必要がある。
(4) 「呼称」とは、インターネット異性紹介事業につき広告及び宣伝をする際に使用する呼び名のことであり、一般にサイト名がこれに当たる。
(5) 「当該呼称が二以上ある場合にあっては、それら全部の呼称」とは、前記(1)の場合のように、一の事業者が複数のサイト(異なる内容のサイトを複数行っている場合のみならず、同一の情報を掲載しているサイトについて、複数の呼称又はURLを付している場合を含む。)を運営している場合であって、当該複数のサイトについてそれぞれの呼称を使用するときに、その全部の呼称について届出が必要という意味である。
2 第2項関係
(1) 「当該インターネット異性紹介事業」とは、法第7条第1項の規定に基づく届出に係るインターネット異性紹介事業をいう。
(2) 「インターネット異性紹介事業を廃止したとき」には、自ら進んでインターネット異性紹介事業を廃止した場合のほか、法第14条第2項の規定による事業の廃止命令を受けて廃止した場合も含まれる。
第8 欠格事由(法第8条関係)
1 第1号関係
(1) 「成年被後見人」とは、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状況にあるため、家庭裁判所により後見開始の審判を受けた者をいう(民法(明治29年法律第89号)第8条)。また、「被保佐人」とは、精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分であるため、家庭裁判所により保佐開始の審判を受けた者をいう(民法第12条)。
(2) 「破産手続開始の決定を受け」た者とは、債務者であって、裁判所により破産手続開始の決定がされているものをいい(破産法(平成16年法律第75号)第2条第4項)、破産者ともいう。また、「復権を得ない者」とは、免責許可の決定の確定、破産手続廃止の決定の確定等による復権を得ていないものをいう(破産法第255条第1項及び第256条第1項)。
(3) 法第8条第1号に定める者に該当するか否かについては、施行規則第1条第3項第1号ハに掲げる登記事項証明書及び市区町村長の証明書により判断するものとする。
2 第2号関係
(1) 「刑に処せられ」とは、刑の言渡しに係る裁判が確定することをいう。
(2) 法第8条第2号に該当する者とは、禁錮以上の刑に処せられ、又は法、児童福祉法若しくは児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律に規定する罪を犯して罰金以上の刑に処せられた者であって、次に当たるものである。
ア 刑の言渡しに係る裁判が確定したが刑の執行がなされていない者(執行猶予中の者を含む。)
イ 刑の執行中である者
ウ 刑の執行が終わった日から起算して5年を経過しない者
エ 刑の言渡しに係る裁判が確定した後に刑の執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
(3) 「執行を終わり」とは、その刑の執行を受け終わったという意味であり、仮釈放された者は、仮釈放期間が終了したときに刑の執行を受け終わったことになる。
(4) 「執行を受けることがなくなった」とは、刑の時効が完成すること及び恩赦により刑の免除を受けることをいう。
(5) 執行猶予期間が満了した場合又は大赦若しくは特赦の場合には、刑の言渡し自体が効力を失うので、その時点で、「刑に処せられ」た者ではなくなり、法第8条第2号に該当しなくなる。
(6) 法第8条第2号に定める者に該当するか否かについては、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれに定める照会を行い判断するものとする。
ア 日本人に係る場合 「身上調査について」(別記様式第1号)により、本籍地の市区町村長に対して行う。
イ 昭和以降(西暦1926年12月25日以降)に出生した外国人に係る場合 「インターネット異性紹介事業者に係る欠格事由に関する調査について(外国人用)」(別記様式第2号)により、大阪地方検察庁に対して行う。
ウ 大正以前(西暦1926年12月24日以前)に出生した外国人に係る場合 「インターネット異性紹介事業者に係る欠格事由に関する調査について(外国人用)」により、東京地方検察庁に対して行う。
エ 法人に係る場合 「インターネット異性紹介事業者に係る欠格事由に関する調査について(法人用)」(別記様式第3号)により、本店の所在地を管轄する地方検察庁に対して行う。
3 第3号関係
(1) 「命令に違反した」とは、違反した事実があれば足り、法第31条により処罰されたか否かは問わない。
(2) 法第8条第3号に定める者に該当するか否かについては、サイバー犯罪対策課長に対する照会結果により判断するものとする。
4 第4号関係
法第8条第4号に定める者に該当するか否かについては、前記2の(6)の照会及び個人照会を行い、その回答に基づき判断するものとする。
なお、法第8条第4号に定める者に該当するか否かの判断に疑義がある場合は、サイバー犯罪対策課長を通じ捜査第四課長に照会するものとする。
5 第5号関係
(1) 「児童でない未成年者」とは、18歳又は19歳の者をいう。
(2) 「営業に関し成年者と同一の行為能力を有する者」とは、親権者又は後見人から営業を許可された者(民法第6条第1項)及び婚姻をして成年に達したものとみなされた者(民法第753条)をいう。
(3) 第8条第5号に定める者に該当するか否かについては、次により判断するものとする。
ア 成年に達しているか否かについて、施行規則第1条第3項第1号イに掲げる書類により確認する。
イ 児童でない未成年者のうち、次に掲げる者に該当するか否かについて、それぞれに定める書類及び書面により確認する。
(ア) 婚姻をして成年に達したものとみなされる者
施行規則第1条第3項第1号イに掲げる書類
(イ) インターネット異性紹介事業を営むことに関し、法定代理人の許可を受けている者
a 施行規則第1条第3項第1号イに掲げる書類
b 施行規則第1条第3項第1号ニに掲げる法定代理人の氏名及び住所(法定代理人が法人である場合においては、その名称及び住所並びに代表者の氏名)を記した書面並びに法定代理人の許可を受けていることを証する書面
(ウ) インターネット異性紹介事業者の相続人であって、インターネット異性紹介事業を営むことに関し、法定代理人(法第8条第1号から第4号まで及び第6号のいずれにも該当しない者に限る。)の許可を受けていない者
a 施行規則第1条第3項第1号イに掲げる書類
b 施行規則第1条第3項第1号ニに掲げる被相続人の氏名及び住所並びにインターネット異性紹介事業に係る事務所の所在地を記載した書面
c 施行規則第1条第3項第1号ニに掲げる法定代理人に係る同号イからハまでに掲げる書類(法定代理人が法人である場合においては、同項第2号イからハまでに掲げる書面)
(4) 前記(3)のイの(ウ)の法定代理人が法第8条第1号から第4号まで及び第6号のいずれかに該当するかどうかについては、前記1の(3)、2の(6)、3の(2)及び4の(2)並びに後記6の(3)に規定する要領により判断するものとする。
6 第6号関係
(1) 「役員」とは、一般的な法令用語としての役員のことであり、法人の機関として業務の執行又は監督を行う機能を有する者の総称である。例えば、株式会社等の取締役・監査役、持分会社の業務を執行する社員等を指す。
(2) 児童は、インターネット異性紹介事業を行う法人の役員となることができないが、18歳又は19歳の者は、インターネット異性紹介事業を行う法人の役員となることができる。
(3) 法第8条第6号該当の有無については、法人の全ての役員の欠格事由該当の有無を前記1の(3)、2の(6)、3の(2)及び4の(2)の要領で判断するものとする。
第9 名義貸しの禁止(法第9条関係)
法第9条は、届出をしていない者に名義を貸すことのみならず、届出をしている者に名義を貸すことも禁じた規定である。また、届出をした者が自らはインターネット異性紹介事業を行わずに他人に名義を貸した場合に限らず、届出をした者が自己の名義でインターネット異性紹介事業を行いつつ、他人に名義を貸した場合にも、法第9条違反が成立する。
第10 利用の禁止の明示等(法第10条関係)
1 第1項関係
(1) 「広告又は宣伝」とは、インターネット上におけるバナー広告、雑誌の広告、チラシ、立て看板、電子メール広告、街頭宣伝等その手段については問わないが、事業者自らの意思に基づいてその事業について行うものに限られ、他の者が勝手にリンクを貼って広告又は宣伝するような行為は法第10条の対象には含まれない。
(2) 自己の行うインターネット異性紹介事業に関するバナー広告を他人に自由に使用させるために提供する行為だけでは広告又は宣伝とはいえないが、当該バナー広告を他人がそのホームページ上で表示して公衆が閲覧できるようにした時点で自らの意思によりその行う事業の広告又は宣伝を行っていることとなる。
(3) 施行規則第3条第1号に規定する「児童が当該インターネット異性紹介事業を利用してはならない旨の文言」としては、例えば、「18歳未満の方は、このサイトを利用できません。」、「18歳未満利用禁止」、「18禁」といったものが該当するが、「成人向け」、「大人専用」といった文言は、児童が「インターネット異性紹介事業を利用してはならない旨」を理解できる程度に明らかになっているとはいえない。
なお、広告又は宣伝を電子メールにより行う場合は、当該電子メールの表題部に「18禁」その他の児童が当該インターネット異性紹介事業を利用してはならない旨の文言を表示をする必要があり、児童が当該インターネット異性紹介事業を利用してはならない旨が明らかでない場合には、義務を履行したとはいえない。また、テレビのコマーシャルのように画像及び音声を併せ用いて広告又は宣伝を行う場合には、施行規則第3条第1号及び第3号のいずれも適用されることとなる。
2 第2項関係
(1) 「伝達」とは、ウェブサイト上において表示する等、利用しようとする者が認識することができる状態に置くことであり、実際に利用しようとする者が認識したか否かの確認までを求めるものではない。しかし、極端に小さい文字、難解な言語又は背景と同系色で表示する等、利用しようとする者が認識することができる状態に置かれたと認められない場合には、伝達したことにはならない。
(2) 事業者は、法第10条第2項の規定に基づき、その行うインターネット異性紹介事業を利用しようとする者に対し、法第11条の規定により児童でないことの確認を受ける際、児童がインターネット異性紹介事業を利用してはならない旨を伝達する必要がある。
第11 児童でないことの確認(法第11条関係)
1 法第11条本文関係
(1) 法第11条各号に掲げる場合とは、具体的には、次のとおりである。
ア 異性交際希望者にインターネット異性紹介事業の電子掲示板に書き込みをさせ、その書き込みを他人が閲覧できる状態に置くとき(第1号)。
イ 異性交際希望者にインターネット異性紹介事業の電子掲示板において他人の書き込みを閲覧させるとき(第2号)。
ウ インターネット異性紹介事業の電子掲示板において他人の書き込みを閲覧した異性交際希望者が、書き込みをした者に対して電子メール等を送ることができる状態にするとき(第3号)。
エ インターネット異性紹介事業の電子掲示板に書き込みをした異性交際希望者が、ウェブサイト運営者からその書き込みを閲覧した者のアドレスの通知を受ける等により、その閲覧した者に対して電子メール等を送ることができるようにするとき(第4号)。
(2) 法第11条各号に掲げる場合については、独立して各号に掲げるようなインターネット異性紹介事業の利用形態が考えられることから、それぞれ「児童でないことの確認」を行う必要がある。ただし、インターネット異性紹介事業の一連の利用過程において既に「児童でないことの確認」が行われていると評価できる場合には、その確認を重ねて行う必要はない。
2 施行規則第5条関係
(1) 第1項関係
ア 第1号関係
(ア) 「運転免許証、国民健康保険被保険者証その他の当該異性交際希望者の年齢又は生年月日を証する書面」とは、運転免許証、国民健康保険被保険者証のほか、健康保険被保険者証、共済組合員証、年金手帳、旅券、在留カード、特別永住者証明書等の書面をいい、官公庁、会社、大学等が発行する身分証明書であって、その年齢又は生年月日が記載されているものもこれに該当する。
(イ) 「提示」とは、対面して提示する場合のほか、現物を郵送する等して提示する場合を含む。また、「写しの送付」又は「画像の電磁的方法による送信」とは、コピーを郵送する方法、コピーをファクシミリで送信する方法、デジタルカメラで撮影した画像データを電子メールで送信する方法等が挙げられる。
(ウ) 提示等を受けるべき部分は、当該書面中、当該異性交際希望者の年齢又は生年月日を記載した部分及び当該書面がいかなる種類の身分証明書であるかを判別するために必要な書面の名称及び発行者名に係る部分である。
イ 第2号関係
(ア) 「クレジットカードを使用する方法その他の児童が通常利用できない方法により料金を支払う旨の同意を受ける」とは、事業者が有料でサービスを提供する場合において、クレジットカードの番号、有効期限等の提供を受け当該クレジットカードを使用して料金を支払う旨の同意を受けることをいう。
(イ) 「その他の児童が通常利用できない方法」については、児童でないことを確認する方法として、クレジットカードを利用する方法と同程度の確実性を有する方法が今後出現する場合を想定した規定である。また、成人向けに発行されているプリペイド式電子マネーを使用する方法により料金を支払う旨の同意を受けることについては、当該電子マネーの販売に際しクレジットカードを利用する方法と同程度の確実性を有する方法で児童でないことの確認が行われているとはいえないこと及び成人が購入した当該電子マネーを児童に譲渡することが容易であることから、「児童が通常利用できない方法」には当たらない。
ウ 第3号関係
(ア) 事業者が、あらかじめ、次に掲げるいずれかの方法により、児童でないことを確認した異性交際希望者に対し識別符号を付与している場合にあっては、それ以降の児童でないことの確認の方法は、利用の際に当該識別符号を送信させる方法で足りるという趣旨である。
a 運転免許証等異性交際希望者の年齢又は生年月日を証する書面の次に掲げる部分の提示を受けること等の方法
(a) 当該異性交際希望者の年齢又は生年月日に係る部分
(b) 当該書面の名称に係る部分
(c) 当該書面を発行し、又は発給した者の名称に係る部分
b クレジットカード等により料金を支払う旨の同意を受ける方法
(イ) 「インターネットを利用してその送信を受けること」とは、インターネットの画面上で異性交際希望者にID・パスワードを入力させる方法等をいい、例えば、事業者がいわゆる会員制を採り、利用者が会員番号(ID)及びパスワードを入力しなければインターネット異性紹介事業を利用できないようにする場合がこれに当たる。
エ 第4号関係
(ア) 識別符号を付与する業務を他の者に委託している場合は、異性交際希望者から送信を受けた識別符号について、当該委託を受けた者が付したものであることを確認する方法で足りるという趣旨である。
(イ) 「委託を受けた者に照会すること等の方法」とは、ID・パスワードについて、委託を受けた者が付したものであることを照会する方法のほか、事業者と委託を受けた者がID・パスワードのデータベースを共有する方法等が該当する。
(ウ) 第三者に委託を行う場合には、公安委員会への届出の際、施行規則第1条第3項第4号に定める委託を受ける者に係る書類を添付しなければならない。この場合において、公安委員会は、同号の規定により提出を受けた当該第三者に係る住民票の写し等により、施行規則第5条第2項に規定する要件を備えているか否かを判断することとなる。
(2) 第2項関係
施行規則第5条第2項の識別符号付与業務の委託を受ける者等についての欠格事由の有無の判断は、次の要領により判断するものとする。
ア 第1号関係
(ア) 施行規則第5条第2項第1号イに定める者に該当するか否かについては、前記第8の1の(3)に準じて行うこと。
(イ) 施行規則第5条第2項第1号ロに定める者に該当するか否かについては、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれに定める照会を行い判断すること。
a 日本人に係る場合 「身上調査について」(別記様式第4号)により、本籍地の市区町村長に対して行う。
b 昭和以降(西暦1926年12月25日以降)に出生した外国人に係る場合 「識別符号付与業務の委託を受ける者に係る欠格事由に関する調査について(外国人用)」(別記様式第5号)により、大阪地方検察庁に対して行う。
c 大正以前(西暦1926年12月24日以前)に出生した外国人に係る場合 「識別符号付与業務の委託を受ける者に係る欠格事由に関する調査について(外国人用)」により、東京地方検察庁に対して行う。
d 法人に係る場合 「識別符号付与業務の委託を受ける者に係る欠格事由に関する調査について(法人用)」(別記様式第6号)により、本店の所在地を管轄する地方検察庁に対して行う。
(ウ) 施行規則第5条第2項第1号ハに定める者に該当するか否かについては、前記第8の4の(2)に準じて行うこと。
(エ) 施行規則第5条第2項第1号ニに定める者に該当するか否かについては、施行規則第1条第3項第4号イ(3)に掲げる医師の診断書により判断すること。
(オ) 施行規則第5条第2項第1号ホに定める者に該当するか否かについては、前記第8の3の(2)に準じて行うこと。
(カ) 施行規則第5条第2項第1号ヘに定める者に該当するか否かについては、前記(ア)から(オ)までの要領で判断すること。
イ 第2号関係
「その他の識別符号付与業務の適正な実施を確保するため必要な事項」とは、異性交際希望者が児童でないことを確認する方法のほか、次のようなことが該当する。
(ア) 児童でないことを確認した異性交際希望者に対して、ID・パスワードを付与する方法
(イ) 委託者が異性交際希望者から送信を受けたID・パスワードについて、当該ID・パスワードが受託者の付したものであることを確認するための照会・認証を行う方法
(ウ) 施行規則第5条第2項第1号イからホまでに該当する者を識別符号付与業務に従事させないことを確保するために必要な事項
(エ) 個人情報の漏えいの防止その他の適正な情報管理に関する事項
(オ) 識別符号付与業務が適正に行われなかった場合の契約の解除その他の識別符号付与業務の適正な実施を確保するために必要な事項
(3) 第3項及び第4項関係
ア 施行規則第5条第3項及び第4項は、事業者から同条第4項の特定情報提供役務、すなわち、次に掲げる役務のいずれについても提供を受けない異性交際希望者については、他の異性交際希望者と実際に出会うことができないことから、事業者が異性交際希望者に対して行う児童でないことの確認の方法は、異性交際希望者の自主申告で足りるという趣旨である。
(ア) 異性交際希望者が特定情報、すなわち、異性交際希望者と他の異性交際希望者が出会うために指定する日時及び場所に係る情報又は住所、電話番号、電子メールアドレスその他の連絡先に係る情報をインターネット異性紹介事業の電子掲示板に書き込めるようにする役務
(イ) 異性交際希望者がインターネット異性紹介事業の電子掲示板において、他の異性交際希望者に係る前記(ア)の特定情報を閲覧できるようにする役務
(ウ) 異性交際希望者が電子メールその他の電気通信を利用して他の異性交際希望者に前記(ア)の特定情報を伝達することができるようにする役務
イ 前記アの自主申告は、次の方法によるものでなければならない。
(ア) 異性交際希望者に対し、インターネットを利用してその年齢又は生年月日を送信するよう求め、当該年齢又は生年月日により当該異性交際希望者が児童でないことを確認する方法
(イ) 異性交際希望者に対し、インターネットを利用して児童でないかどうかを問い合わせ、その回答により当該異性交際希望者が児童でないことを確認する方法
ウ 特定情報提供役務の提供を行わない事業形態としては、電子掲示板については特定情報の書き込み及び閲覧ができないようにされており、電子メールについては特定情報を含まない定型文によるやりとりに限られている場合等が該当する。
エ 施行規則第5条第3項第1号中「異性交際希望者に対し、インターネットを利用してその年齢又は生年月日を送信するよう求め」る場合とは、事業者が、サイト上に年齢又は生年月日の確認のための画面を設け、又はいわゆるプロフィール入力画面の中に年齢又は生年月日の欄を設けることにより、異性交際希望者に対して、その年齢又は生年月日を入力させている場合等をいう。また、異性交際希望者が、会員登録の際に自己の年齢その他のいわゆるプロフィール情報を自主申告により登録して識別符号を付与され、2回目以降の利用に際して識別符号を入力すると、あらかじめ登録された年齢又は生年月日が自動的に年齢又は生年月日の欄に入力されるような場合も、これに該当する。
オ 施行規則第5条第3項第2号中「インターネットを利用して児童でないかどうかを問い合わせ」とは、画面上で異性交際希望者に対して「あなたは、18歳以上ですか。」と質問を表示し、「はい」、「いいえ」等の回答を選択させる方法をいう。
なお、施行規則第5条第3項各号に定める方法により児童でないことの確認を受ける異性交際希望者については、当該異性交際希望者の一連の利用過程において既に「児童でないことの確認」が行われていると評価できる場合には、その確認を重ねて行う必要はない。
3 法第11条ただし書関係
書き込みを行う異性交際希望者全てについて本人確認を行っているインターネット異性紹介事業については、異性交際希望者に他人の書き込みを閲覧させる場合に、その者が児童でないことの確認は不要である。
なお、施行規則第6条第1項本文による確認の方法では「書面の提示」に限定していることから、書面のコピーを郵送する等の方法は認められない。また、本人確認及び児童でないことの確認は、概念上別であるが、本人確認の一環として児童でないことも確認するのであれば、重ねて児童でないことの確認を行う必要はない。
第12 児童の健全な育成に障害を及ぼす行為の防止措置(法第12条関係)
1 第1項関係
(1) 「その行うインターネット異性紹介事業を利用して禁止誘引行為が行われている」とは、事業者が提供するサービスを用いて禁止誘引行為に係る異性交際に関する情報をインターネットを利用して公衆が閲覧することができる状態に置いてこれに伝達していることをいう。
(2) 「禁止誘引行為」とは、法第6条各号に掲げる行為であり、罰則の対象とされていない同条第5号に掲げる行為も含む。
(3) 「知ったとき」とは、事業者自らが発見した場合のみならず、登録誘引情報提供機関、警察等、外部からの情報提供により知ったときも該当するが、事業者が認知していない情報については、「知ったとき」に当たらず、法第12条第1項に規定する義務は課されない。
なお、事業者には、禁止誘引行為が行われていることを知るために、その行うインターネット異性紹介事業を利用して行われる書き込みを監視する義務及び外部からの情報提供を常時受け付ける体制を設ける義務までは課されていない。
(4) 「速やかに」とは、一律にある時間の長さで規定できるものではないが、合理的に考えて「知ったとき」からすぐであることが必要である。
(5) 「インターネットを利用して公衆が閲覧することができないようにするための措置」(以下「公衆閲覧防止措置」という。)とは、典型的には対象となる書き込みの削除(アップロードの中止、サーバコンピュータからのデータ削除等)であるが、その他にも、ウェブページ自体の削除、書き込みの墨塗り等、公衆が閲覧することができなくなる措置であれば、いかなる措置でもよい。
2 第2項関係
(1) 「禁止誘引行為その他の児童の健全な育成に障害を及ぼす行為」とは、禁止誘引行為に限らず、広く児童の健全な育成に障害を及ぼす行為全般を指し、例えば、児童以外の者による売春を誘引する書き込み、児童買春若しくは淫行をあおる書き込み又はわいせつ図画等をインターネット異性紹介事業の電子掲示板に掲載する行為がこれに当たる。
(2) 「児童の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するための措置」とは、例えば、次のようなことが該当する。
ア その行うインターネット異性紹介事業を利用して、売春に関する誘引行為又はわいせつ図画の添付その他の禁止誘引行為以外の児童の健全な育成に障害を及ぼす行為が行われたことを発見した場合に、当該行為に係る書き込みを削除すること。
イ 禁止誘引行為が禁止されている旨及び違反した場合は削除される旨を規約、ウェブサイト上等に表示し、利用者の注意を喚起すること。
ウ 禁止誘引行為を行った利用者について、規約等に基づき利用停止措置をとること。
エ 禁止誘引行為の防止措置の対象となる書き込みを認知し、削除するための体制を整備すること。
第13 指示(法第13条・第15条第2項第1号関係)
1 指示の主体
(1) 事業者に対する指導監督は、当該事業者の事業の本拠となる事務所の所在地を管轄する公安委員会(以下「管轄公安委員会」という。)が一元的に行うことが効果的かつ効率的であるため、指示は、法令違反行為(その行うインターネット異性紹介事業に関して行われた法若しくは法に基づく命令又は他の法令の規定に違反する行為をいう。以下同じ。)を行った時における管轄公安委員会が行うものとする。
(2) 管轄公安委員会以外の公安委員会が事業者の法令違反行為を把握した場合には、法第17条第2項に基づき、管轄公安委員会に対し、当該事実を通報することとなる。
2 要件
(1) 「インターネット異性紹介事業者がその行うインターネット異性紹介事業に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令又は他の法令の規定に違反したと認める場合」とは、インターネット異性紹介事業を行う法人又は自然人が当該事業に関し、法令違反行為をしたと認める場合をいう。したがって、事業者たる法人の代表者又は事業者の代理人、使用人その他の従業者(以下「事業者の代理人等」という。)が法令違反行為を行った場合は、原則としてこれに当たらない。しかし、事業者の代理人等が、法人に対しても義務を課していると認められる規定に違反する行為を事業に関し行った場合には、事業者が当該違反行為を行ったと認められることから、これに当たる。また、事業者の代理人等が事業に関し行った行為が犯罪に当たる場合で法人又は自然人に対する両罰規定が設けられているときも、これに当たる。
なお、指示の対象となる事業者については、インターネット異性紹介事業の届出をしているか否かを問わない。
(2) 「その行うインターネット異性紹介事業に関し」とは、自己の管理又は従事するインターネット異性紹介事業を行うに当たってという意味であり、例えば、事業者が、法令違反行為を次に掲げる態様で行う場合が該当する。
なお、他の事業者が行うインターネット異性紹介事業を利用して禁止誘引行為を行う等、当該事業者の行うインターネット異性紹介事業に関し行ったと認められない法令違反行為を行う場合はこれに当たらない。
ア その行う事業の利用者を増加させる目的で行う場合
イ 当該事業者と雇用関係にある者に対し行う場合
ウ その行う事業の利用者に対し行う場合
(3) 「この法律」とは、法のことである。ただし、努力義務を定める規定(法第3条第1項及び第3項並びに第12条第2項)に違反する行為は、指示の対象とはならない。
(4) 「この法律に基づく命令」とは、法第7条(届出)、第10条(利用禁止の明示)、第11条(児童でないことの確認)等に基づく施行規則等のことである。
(5) 「他の法令の規定」とは、広く法律及び命令一般を指す。しかし、指示を行えるのは、「その行うインターネット異性紹介事業に関し」た違反に限られるため、例えば、次のような場合が該当する。
ア 送信者情報を偽って児童に対し事業に関する電子メールによる広告を送信した場合(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(平成14年法律第26号)第5条違反)
イ 15歳未満の児童をその行う事業に従事させた場合(労働基準法(昭和22年法律第49号)第56条違反)
ウ 事業を通じて入手した児童である利用者の個人情報を第三者に提供した場合(個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)第23条違反)
(6) 「違反したと認める場合」とは、違反したと公安委員会が判断した場合という意味であり、公安委員会の判断に一定の裁量の余地を認めたものである。
なお、法令違反行為に対して刑罰が科せられることとされている場合は、当該行為について、逮捕、送致、起訴等が既になされているか否かは、当該法令違反行為の成否に影響を及ぼさない。
(7) 「児童の健全な育成に障害を及ぼすおそれがあると認めるとき」とは、例えば、自己が運営する事業を利用して禁止誘引行為が行われていることを知ったにもかかわらず公衆閲覧防止措置がとられず、次のような状況が認められる場合が該当する。ただし、事業者が、自己が運営する事業を利用して禁止誘引行為が行われていることを知ったにもかかわらず、たまたま公衆閲覧防止措置の対象から漏れた書き込みが1個残ってしまったような場合で、当該措置を講ずる十分な体制が設けられているようなとき等は、法令違反の程度が小さく、警告等により指摘されれば是正される蓋然性が高く、通常「児童の健全な育成に障害を及ぼすおそれ」を認めることは困難である。
ア 長期間にわたり義務違反の状況が継続されているとき。
イ 以前に警告等がなされたことがあるにもかかわらず改善されていないとき。
ウ 一時的に違反状態は解消されたものの、当該違反の原因となった事由が残存する等当該違反が再び行われるおそれがあるとき。
3 指示の内容及び方法
(1) 「児童の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため必要な指示」としては、法令違反状態の解消のための措置、履行されなかった義務に替わる措置、将来の違反の防止のための措置等を具体的に定めて指示を行うことが必要であり、単に「今後は法第○条の規定を確実に遵守すること。」というような指示は望ましくない。具体的には、事業者が一部の利用者についてのみしか児童でないことの確認をしておらず、児童の当該事業の利用が容易な状況にあると認められるときに、当該確認を確実に行うための体制、機器等を整備した上で全ての利用者に対して児童でないことを確認するよう命ずること等が該当する。
(2) 指示は、原則として次の要領により行う。
なお、事業者が行った法令違反行為について事業停止命令を行う場合であっても、当該法令違反行為について指示を併せて行うことは妨げない。
ア 当該違反事業者に対し、法令違反行為をしたと認められる旨を通知し、必要な措置を講ずるよう警告等を行う。ただし、警告等を行うことが適当でないと認められるときは、この手続を省略することを妨げない。
イ 必要に応じ、法第16条の規定に基づく報告等の要求を行う等して、どのような措置をどれ位の期間に与えればとることができるかを調査する。
ウ 指示は、不利益処分に該当するため、これを行おうとする場合には、指示の内容を確定した後、行政手続法(平成5年法律第88号)の規定に基づく意見陳述手続を経た後、指示の内容、その理由を明記した指示書(施行規則別記様式第4号)により行う。
第14 事業の停止等(法第14条・第15条第2項第2号関係)
1 事業停止命令(法第14条第1項・第15条第2項第2号関係)
(1) 事業停止命令の主体
ア 事業者に対する指導監督は、管轄公安委員会が一元的に行うことが効果的かつ効率的であるため、事業停止命令は、事業停止命令対象行為(その行うインターネット異性紹介事業に関し法第8条第2号に規定する罪(法に規定する罪にあっては、法第31条の罪及び同条の罪に係る法第35条の罪を除く。)その他児童の健全な育成に障害を及ぼす罪で施行令で定めるものに当たる行為をいう。)を行った時における管轄公安委員会が行うものとする。
イ 管轄公安委員会以外の公安委員会が当該事業停止命令対象行為を把握した場合には、法第17条第2項に基づき、管轄公安委員会に対し、当該事実を通報するものとする。
(2) 要件
ア 「インターネット異性紹介事業者がその行うインターネット異性紹介事業に関し第8条第2号に規定する罪(この法律に規定する罪にあっては、第31条の罪及び同条の罪に係る第35条の罪を除く。)その他児童の健全な育成に障害を及ぼす罪で政令で定めるものに当たる行為をしたと認めるとき」とは、インターネット異性紹介事業を行う法人又は自然人が事業停止命令対象行為をしたと認める場合をいう。したがって、事業者の代理人等が事業停止命令対象行為とされる罪に当たる行為を行っただけでは、インターネット異性紹介事業を行う法人又は自然人が事業停止命令対象行為をしたと認めることはできず、当該罪に係る両罰規定が事業停止命令対象行為とされる罪に当たる行為の罪とされており、当該事業者にこれが適用されるときに限り、事業停止命令を行うことができる。
なお、事業停止命令の対象となる事業者については、インターネット異性紹介事業の届出をしているか否かを問わない。
イ 「その行うインターネット異性紹介事業に関し」については、前記第13の2の(2)の解釈と同様である。
ウ 「児童の健全な育成に障害を及ぼす罪」とは、施行令第1条で定める罪である。施行令第1条では、事業者がインターネット異性紹介事業に関して犯すことが想定される罪のうち、児童の健全な育成に障害を及ぼすものが定められている。
エ 「その行うインターネット異性紹介事業に関し第8条第2号に規定する罪(この法律に規定する罪にあっては、第31条の罪及び同条の罪に係る第35条の罪を除く。)その他児童の健全な育成に障害を及ぼす罪で政令で定めるものに当たる行為をしたと認めるとき」とは、罪に当たる行為をしたということを公安委員会が判断した場合という意味であり、公安委員会の判断に一定の裁量の余地を認めたものである。
なお、罪に当たる行為について、逮捕、送致、起訴等が既になされているか否かは、当該行為の成否に影響を及ぼさない。
(3) 事業停止命令の内容及び方法
ア インターネット異性紹介事業の「一部の停止」を命ずることとは、事業者が行う事業の全部の停止を命ずること以外の全てを指し、具体的には、次のような命令が該当する。
(ア) 事業者が現に運営するサイトのうち一部のサイトについて、一定期間の閉鎖を命ずる(事業停止命令の対象となるサイト以外のサイトの運営は認められる。)。
(イ) 事業者が現に運営するサイトの全てについて、一定の期間の閉鎖を命ずる(新規サイトの開設は認められる。)。
(ウ) 新規会員の募集、電子掲示版への書き込み等、特定の事業活動のみについて、一定期間の停止を命ずる(事業停止命令の対象となる事業活動以外の活動は認められる。)。
イ 事業停止命令は不利益処分に該当するため、これを行う場合には、行政手続法の規定に基づく意見陳述手続を経た後、命令書(施行規則別記様式第5号)により行う。
2 事業廃止命令(法第14条第2項関係)
(1) 事業廃止命令の主体
事業者に対する指導監督は、管轄公安委員会が一元的に行うことが効果的かつ効率的であるため、事業廃止命令は、管轄公安委員会が行うものとする。したがって、事業者が欠格事由のいずれかに該当することが判明してから、事業廃止命令を行うまでの間に、当該事業者が事業の本拠となる事務所の所在地を他の公安委員会の管轄区域内に変更した場合は、行政手続法の規定に基づく意見陳述手続の実施状況にかかわらず、変更後の事業の本拠となる事務所の所在地を管轄する公安委員会が事業廃止命令を行うこととなる。
(2) 要件
事業廃止命令の対象となる事業者については、インターネット異性紹介事業の届出をしているか否かを問わない。
(3) 事業廃止命令の方法
事業廃止命令は、不利益処分に該当するため、これを行う場合には、行政手続法の規定に基づく意見陳述手続を経た後、命令書により行う。
第15 処分移送通知(法第15条関係)
1 処分庁の原則
指示又は事業停止命令(以下「処分」という。)を行う公安委員会は、原則として、法令違反行為又は事業停止命令対象行為が行われた時における管轄公安委員会(以下「行為時管轄公安委員会」という。)である(法第13条及び第14条第1項)。
2 処分移送通知
事業者が法令違反行為又は事業停止命令対象行為を行った後に事業の本拠となる事務所の所在地を他の公安委員会の管轄区域内に変更した場合は、行政手続法の規定に基づく意見陳述手続の便宜も考慮して、行為時管轄公安委員会は、変更後の事業の本拠となる事務所の所在地を管轄する公安委員会に処分移送通知書(施行規則別記様式第6号)を送付し、当該変更後の事業の本拠となる事務所の所在地を管轄する公安委員会が処分を行うこととする。ただし、行為時管轄公安委員会が意見陳述手続を終了した後に当該事業者が事業の本拠となる事務所の所在地を他の公安委員会の管轄区域内に変更した場合は、前記1の原則どおり、行為時管轄公安委員会が処分を行うこととする(法第15条第1項及び第2項)。
第16 報告又は資料の提出(法第16条関係)
1 報告又は資料の提出の内容
「報告又は資料の提出を求めること」とは、具体的には、法の規定の遵守状況を把握し、又は法第13条若しくは第14条の規定に基づき行政処分を行うに当たってどのような処分を行うべきかの判断に資するため、次のような報告を求めること、又は資料の提出を求めることが該当する。
(1) 法第10条第1項に規定する広告又は宣伝を行う際の児童による利用の禁止の明示の実施状況
(2) 法第11条に規定する異性交際希望者が児童でないことの確認方法
(3) 法第12条第1項に規定する禁止誘引行為に係る異性交際に関する情報の公衆閲覧防止措置の実施状況
(4) 過去に行った広告又は宣伝に係る児童による利用の禁止の明示状況に関する資料
(5) 過去に禁止誘引行為に係る異性交際に関する情報について公衆閲覧防止措置をとった際の記録
2 報告又は資料の提出を求める方法
法第16条に基づく報告又は資料の提出の要求は、報告等要求書(施行規則別記様式第7号)により行う。
第17 国家公安委員会への報告等(法第17条関係)
1 第1項関係
事業者に対する必要な規制が的確に行われるためには、届出の受理又は処分に関する情報を各公安委員会が共有する必要があることから、各公安委員会は、届出を受けた場合又は指示若しくは事業停止命令を行った場合は、施行規則第11条第1項に規定する事項を国家公安委員会に報告し、国家公安委員会はこれらの情報を各公安委員会に通報することとする。
2 第2項関係
住民の通報、犯罪捜査等を通じて、管轄公安委員会以外の公安委員会が、法令違反行為若しくは事業停止命令対象行為又は指示若しくは事業停止命令に違反する行為を認知した場合には、管轄公安委員会による規制が適切かつ迅速に行われるよう、当該行為を認知した公安委員会から直接管轄公安委員会に対し、施行規則第11条第2項に規定する事項を通報することとされている。
第18 経過措置(改正法附則第2条関係)
インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律の一部を改正する法律(平成20年法律第52号)の施行の際現にインターネット異性紹介事業を行っている者は、施行の日(平成20年12月1日)から起算して1月を経過する日(平成21年1月5日)までに、法第7条第1項の届出をすれば足りる。