犯罪収益移転防止法の改正について

マネー・ローンダリング、テロ資金供与防止のため、取引時の確認方法等が一部改正されます。

取引時の確認事項とその書類

取引時の確認にあたり、運転免許証など公的証明書が必要となります。
確認に利用できる書類の主な例は以下のとおりです。
なお、通常の取引とハイリスク取引とで、確認方法が異なる事項がありますので、ご注意ください。

確認事項 通常の取引 ハイリスク取引
1 本人特定事項
●個人
氏名・住所・生年月日
●法人
名称・所在地

以下の本人確認書類
●個人の場合
・運転免許証、運転経歴証明書
・旅券(パスポート)
・在留カード、特別永住者証明書 など
●法人の場合
・登記事項証明書
・印鑑登録証明書(名称、本店または主たる事務所の所在地の記載のあるもの) など
通常の取引に際して確認した書類
+
上記以外の本人確認書類
2 取引を行う目的 申告 通常の取引と同じ
3 職業(個人)
事業内容(法人)
●個人:申告
●法人:定款、登記事項証明書 など
​通常の取引と同じ
4 実質的支配者
( 議決権の保有その他の手段により当該法人を支配する自然人(全ての法人に存在))
代表者等からの本人特定事項の申告 株主名簿、有価証券
報告書 など
+
代表者等からの
本人特定事項の申告
5 資産及び収入の状況
(ハイリスク取引で、200万円を超える財産の移転を伴う場合に限る。)
●個人の場合
・源泉徴収票
・確定申告書
・預貯金通帳 など
●法人の場合
・貸借対照表
・損益計算書 など

◎有効期限のある書類の場合は、事業者が提示または送付を受ける日において有効である必要があります。また、有効期限のない書類の場合は、事業者が提示または送付を受ける日の前6ヶ月以内に作成されたものに限ります。

留意事項 確認を行うにあたり、顧客または取引担当者の住居が本人確認書類と異なる場合には、他の本人確認書類、納税証明書、社会保険料領収書、公共料金領収書等(領収日付の押収または発行年月日の記載のあるもので、提示または送付を受ける日の前6ヶ月以内のものに限ります。)の提示または送付を受け、現在の住居を確認する必要があります。

確認方法

個人の場合

取引時の確認事項のうち、1から3(司法書士等士業者は1のみ)について確認を行います。
代理人取引の場合には、実際に取引を行っている取引担当者の本人特定事項の確認が必要です。

○対面取引では
・(1)運転免許証、在留カード、旅券(パスポート)等顔写真のある官公庁発行書類の提示並びに(2)取引の目的及び職業の申告を受ける→取引時確認完了
・(1)健康保険証、国民年金手帳等の提示並びに(2)取引の目的及び職業の申告を受ける+本人確認書類に記載の住所に取引関係文書を転送不要郵便等で送付する→取引時確認完了
・(1)住民票の写し等の提示並びに(2)取引の目的及び職業の申告を受ける+本人確認書類に記載の住所に取引関係文書を転送不要郵便等で送付する→取引時確認完了

○非対面取引(インターネット、郵送等)では
・(1)本人確認書類またはその写しの送付並びに(2)取引の目的及び職業の申告を受ける+本人確認書類に記載の住所に取引関係文書を転送不要郵便等で送付する→取引時確認完了

法人の場合

取引時の確認事項のうち、1から4(司法書士等士業者は1のみ)について確認を行います。
あわせて、実際に取引を行っている取引担当者の本人特定事項の確認が必要です。
取引担当者が正当な取引権限を持っていることの確認に社員証は使用できず委任状等が必要になります。また、登記事項証明書は取引担当者が代表権を有する場合のみ使用できます。

○対面取引では
・「登記事項証明書、印鑑登録証明書等本人確認書類の提示」、「取引の目的の申告」、「定款等事業内容が確認できる書類」、「実質的支配者に関する本人特定事項の申告」+実際に取引を行っている取引担当者の本人確認書類の提示→取引時確認完了

○非対面取引(インターネット、郵送等)では
・「登記事項証明書、印鑑登録証明書等の本人確認書類またはその写しの送付」、「取引の目的の申告」、「定款等事業内容が確認できる書類」、「実質 的支配者に関する本人特定事項の申告」+実際に取引を行っている取引担当者の本人確認書類またはその写しの送付+法人と実際に取引を行っている取引担当者の両方の本人特定事項の住所等に、取引関係文書を転送不要郵便等で送付→取引時確認完了

日本国内に住居を有しない短期滞在者

(観光客など)であって、旅券等で本国における住居を確認することができない場合

○対面取引のみ
住居の確認ができない限り、本人確認が必要な取引は原則として行うことができませんが、外貨両替、宝石・貴金属等の売買等については、氏名・生年月日に加え、国籍・番号の記載のある旅券、乗員手帳の提示を受けることで取引が可能です。
※上陸許可の証印等により、その在留期間が90日間を超えないと認められるときは、日本国内に住居を有しないことに該当します。→取引時確認完了


ハイリスク取引時の確認

マネー・ローンダリングのリスクの高い取引(ハイリスク取引※)を行う際には、改めて確認が必要です。
また、当該取引が200万円を超える財産の移転を伴う場合には、資産及び収入の状況の確認も必要です(司法書士等士業者を除く)。

※ハイリスク取引とは、以下に該当する取引を言います。
・過去の契約の際に確認した顧客等または代表者等になりすましている疑いがある取引。
・過去の契約時の確認の際に確認事項を偽っていた疑いがある顧客等との取引。
・イラン・北朝鮮に居住、所在する者との取引。
・外国の重要な公的地位にある者等との取引。